大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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いつでもどこでも、歌あればこの世は楽し。

      2015/12/20

欧米人の友達に、「あなたは歌ったりしないの?」と訊ねると、
よく返って来ることばは”Only in the shower”。

「シャワーの中だけだよ」という意味なのですが、
欧米人でも、人前で歌うのが苦手という人がいると知ったときは、
妙に新鮮でした。

実際、ニューヨーク滞在時代には、
お店のラジオから流れてきた曲が大好きな曲だからと、
接客中にも関わらず、いきなり音量を上げて、一緒に大声で歌い出す店員や、

私がシンガーだと知ったとたん、
「僕もハーレムでミュージカルのステージに立っているんだよ」と、
いきなり、いい声で歌を披露してくれたタクシー運転手など、

自由に歌う人たちに次々に出会ったものです。

先日も、とあるトイレに歌いながら入って来たアメリカ人女性は、
個室に入り、用を足し、手を洗ってトイレを出て、去って行くまで、
まわりを一切気にせず、ず〜〜っと陽気に鼻歌を歌っていました。

なんか、いいなぁ。自由で、と思いました。

洋画の世界では、パーティーで、誰かがピアノを弾き始めると、
会場にいる人たち全員で大合唱になったり、
車の中で、誰かがかけた曲にあわせて、
みんなが大声で歌ったりというシーンをよく目にしますが、
あながち、演出上の誇張ではないようです。

イギリスを旅していたときも、
ホテルのロビーで、いきなり、
誰からともなく歌いはじめた歌に、大勢が参加して、
最後は、なんと、美しい混声合唱になるというシーンに遭遇したことがあります。

結婚のお祝いの歌だったようですが、ハーモニーの美しさに驚いていると、
連れのイギリス人が、
「アイルランド人は、みんなあのくらい普通に歌うんだ。
あのハーモニーは、持って生まれたものだ」と言うので、ますます驚きました。

歌を自由に楽しむのって、素敵なことです。

ところが、日本人には、人前で歌うことって、なかなか馴染みません。
カラオケすら、個室で歌いたい。
大勢で歌う、「歌声喫茶」という文化も、かつてあったようですが、
結局、今ひとつ国民性にあわなかったのか、カラオケに淘汰された感があります。

一方、欧米では、カラオケといえば、大きなパーティールームのようなお店。
ひとりひとりステージに乗って歌を披露する場所というイメージらしい。

日本にコンサートで来日したイギリスのバンドのボーカリストが、
ライブ後、「カラオケに行きたい」というので、
カラオケルームに案内しようとしたら、
「は?なんで誰も聴く人がいないのに、歌わなくちゃいけないの?」と言われ、
あれだけのお客さんの前で歌った後まで、まだカラオケで歌ってウケたいのかぁ?と、
これまた、ビックリしたことがあります。

もっと自由に歌いませんか?

だって、歌と一緒に暮らした方が楽しいもの。

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 - Life

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