大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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風邪をひいたら歌っちゃだめなんです

      2016/10/27

「先生、私、ちょっとノドの調子が悪いんですけど・・・げほげほげほ、
でも、一所懸命練習してきたんで・・・げほげほげほ・・・
ちょっとくらいなら・・・げほげほげほ」

という、練習熱心な子が、時々います。

がんばってるね。
具合悪いのに、たくさん練習して、偉いね。
じゃ、ちょっとだけ、見ようか・・・

と、言ってあげたいのが人情ですが・・・

でも、これ、ダメなんです!!

「風邪引いてるのに、声なんか出したらダメに決まってるでしょ?
そんな声で練習なんかしてるから治らないのよ〜!
早く帰って寝なさい!」

というのが正解です。

声が出ないのは、「出すな」というサインです。
声帯さまのまわりは確実に真っ赤っかです。
そんなときに声を出せば、結節や、ポリープなど、トラブルを招きかねません。

声帯は非常にデリケートな組織。
ケガをしてヒリヒリしている場所を、
乾いた布でゴシゴシこするようなことはしませんよね?

安静にしましょう。
おしゃべりも禁止です。

じゃあ、声が出れば、鼻ぐずぐずでも、喉が痛くても大丈夫かというと、
喉の中はぜ〜んぶつながっているんです。
鼻から喉、どこかが炎症を起こしているときは、
刺激を与えれば、その炎症が広がる可能性があります。

可能な限り、声を出さない方がいいでしょう。
そもそも、喉が痛いときは、熱が出る可能性もあるから、
体力を消耗するような運動はNGですよね?

喉も鼻も大丈夫なんだけど、咳だけが出る、というときも、
できれば歌わない方が賢明です。
発声が気道を刺激することには変わりありません。
炎症が引かない上に乾燥します。
そもそも、カラダが病原菌と戦っているときに、
「歌う」などという全身運動をすれば、それだけエネルギーが取られ、
治るのが遅くなります。
風邪かな?というときは、キャンセルできる用事ならすべてキャンセルして、
とっとと家に帰って、
温かい、栄養のある、消化のいいものを食べて、
水分とビタミンをたっぷり補給して、
ぐっすり眠るのが一番です。

無理に練習をしても、思ったように音程にあたらないので、
かえって、変なクセをつけてしまいます。
第一、気持ちよく歌えない。
あげくどんどん具合が悪くなって、声帯まで痛める・・・

これでは無意味どころか、マイナス。やってはいけないことです。

あきらめて、おとなしく、寝てくださ〜い。
例外は、仕事で歌わなくてはいけない人。
そんなときは・・・

必要以上に絶対声を出さないこと。
リハーサルも最低限のサウンドチェックにとどめること。
おしゃべりで声を使うのは絶対厳禁。
保湿につとめ、周囲の湿度を上げ、
歌う前にはゆっくりとウォーミングアップして歌うこと。

耳鼻科の先生にそのように相談すると、喉に注射を打ってくれるところもあるので、
いい主治医を持つことも大事です。

ま、一番大事なことは、風邪をひかないことなんですけどね。

そのへんは、また今度、ゆっくり書きます!

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 - カラダとノドのお話, 声のはなし

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