サイレント映画俳優の「声」が聞こえるとき
2013/04/01
昨夜、『アーティスト』という映画を見ました。
(詳しくはMISUMI officialに書いたので、そちらを読んでくださいね(^^))
サイレント映画のスターがやがてトーキー映画の台頭という時代の変化にさらされ・・・
というお話なのですが、
声のイメージがいかに大切かという話をするのに、私はしばしば、
サイレント映画からトーキー映画に移り変わった時代のお話をしています。
サイレント映画時代に一斉を風靡しながら、
音声つきの、いわゆるトーキー映画の時代についていかれず、
やがて消えていったたくさんのスターたち。
もちろん、要求される演技の質が変わるというのもありますが、
何より、観客の描いていた声のイメージと実際の声があわないせいで、
ファンが離れてしまう。
有名なハリウッド映画『雨に唄えば』でも、
サイレント映画の人気女優が実は悪声、という大切なシーンがありました。
世界の3大喜劇王のひとりとされるバスター・キートンも、
そのハスキーボイスが役柄のイメージに合わないせいもあって、
人気が衰退したといわれる一人。
「阪妻(バンツマ)」の愛称で人気を博した二枚目俳優・阪東妻三郎も、
トーキー映画に移り変わった時代に人気の低迷に悩んだ一人といいます。
その甲高くて細い声をボイストレーニングによって、
迫力のあるしゃがれ声に変えたことは有名な話。
その声のおかげで、人気が盛り返したともいわれています。
アニメの主人公の人気も声優さん次第といいますし、
吹き替えの声で大好きになった外国の俳優さんの実際の声を聞いて、
イメージが全然変わったという経験のある方もいるはず。
声のイメージってホントに大事なんです!
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