大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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よく目にする、「イケてないライブパフォーマンス」

      2016/10/27

おなじみ、イケてないシリーズ。

今日は、よく目にする、イケてないライブパフォーマンスを、
思いつくまま書いてみたいと思います。

1. いきなり言い訳をする

アマチュアバンドで時々見かけます。
ステージに昇るなり、
「今日、ちょっと風邪引いてて」
「イマイチ自信ないんですけど」
と言い訳をする人たち。
言い訳は免罪符にはなりません。

お客さんは、お金を払って見に来るのです。
いきなり言い訳するのって、くだもの屋のおじさんが、
「今日のバナナはちょっと古いんだけど、ま、食べてみてよ」
とかって言うのと変わらないですよね。

 

2. 演奏姿勢が悪すぎる

いいプレイヤーに姿勢が悪い人はいません。
いても、ものすごくレアです。

カラダは正しく使うことで、
はじめて最高のパフォーマンスをするようにできています。

悪い姿勢では、歌はもちろん、ドラムも、ギターも、キーボードも、
いい音しないんです!

そもそも、姿勢が悪いとカッコ悪い。
カッコ悪いプレイヤーなんて見たくない。

一度、自分の演奏姿勢を録画して、
前から、横から、しっかりチェックしましょう。

 

3. ステージングがカッコ悪い

カッコいいプレイヤーは絶対に鏡で自分のポーズを研究しています。

もしくは映像を撮って、何度もチェックしています。

プロのリハーサル・スタジオは鏡張り。
アーティストは鏡に向かってリハをするのが定番です。

自然に動いていればいいや、なんていうのは、
自然に動いてもカッコいい人が言うセリフ。

自分がお客さんだったら、カッコいいミュージシャンと、
ステージングのイケてないミュージシャン、
どっちの演奏を聴きに行きたいか?

そう考えてみると、このままではいかん、と思えませんか?

 

4. ビジュアルが残念

ステージに立つからには、自分なりのビジュアルのこだわりが必要です。

髪が、長すぎる、ぼさぼさすぎる、などはもちろん言語道断。

ファッションもメイクも、なにが一番自分らしく、
自分の表現したいことにしっくりくるのかを試行錯誤すべきです。

ビジュアルにこだわれば、カラダを鍛えたり、
ダイエットの必要性を感じる人もいるでしょう。

メイクのレッスンを受けたり、ファッションを誰かに相談したり、
髪型に関するアドバイスをくれる人を探したり。

そんな小さな積み重ねが自信となって、
演奏にも反映されるのです。

イケてないビジュアルは、イケてない自分の象徴。
がんばって磨きましょう。

 

5. MCが寒い

MCは、ボーカリストにとって悩みの種です。

慣れていないうちは、いかにも「原稿通りしゃべってます」になりがち。
わざとらしいと、ウケ狙いのネタは、どうしても滑りますし、
頭真っ白になれば、ことばが何にも出てこなくなるときもある。

歌詞の内容を思い入れたっぷりに話すのも重いし、
「みんな立って〜!」「一緒に歌って〜!」
と、誰もしらないオリジナル曲で盛り上げようとしても、
ちょっと寒々しい。

こればかりは修行です。

オススメなのは、会場の中の特定の、
親しい友達に向かって話しかけるようにすること。
もちろん、楽屋落ちのネタなどはだめですが、
こうすると、リラックスして、自然にことばが出てくるものです。

書き始めたら止まらなくなってきました(^^)
今日はこんなところにしておきます。

イケてないライブパフォーマンス、また続きを書きますね。

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 - イケてないシリーズ

Comment

  1. TAKA より:

    私が感じているイケてないステージ。

    自分が観た範囲に限定しての話ですが、ブルーノート、コットンクラブ等で観た海外アーティストの場合、観ていて心地いいです。「見た目の表情」が。

    一方、日本人、特に女性シンガーでブルースなんかも歌う人ですが、「傲慢そうな顔」をして歌っている人が多い。
    ご本人がその気になっているであろうことはわかりますが、観ていて多少なりとも不快感がある。海外から来たシンガーでは、こういう経験をしたことはない。

    これは美形とか美形じゃないとかじゃなくて。「どんな表情をお客さんに向けているか」の話ですが。

    でも、アマチュアとかインディーズのライヴだと、そういうのが「カッコいい」とか「凄い」とか言われてたりします。ただ、傲慢そうな表情で歌う人は、上のステージには進めないような気がします。

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