大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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準備せよ。そして待て。

      2016/10/27

道が開けないとき。
ツキがやってこないと感じるとき。
過小評価されていると思えるとき。

 

さまざまなネガティブな感情が心の中に沸き起こります。

自己嫌悪、嫉妬心、焦燥感、孤独感、
後悔、悔しさ、虚しさ・・・

心の葛藤は、すべて、自分自身がつくりだす幻想に過ぎないと知りつつも、
その苦しさから、なかなか解放されることはありません。
まして、アーティストやミュージシャンのように、
感受性豊かな人は、その葛藤もひとしおです。

 

かつて、私自身がそんな苦悩の中にいたとき。
突然、どこかからメッセージを受け取ったことがあります。

 

「準備せよ。そして待て」
どこかからのメッセージ、などというと、少し胡散臭いなら、
心の声を聞いた、と言い換えてもいい。

いつものように、書き物をしようとデスクに向かっていたときに、
ふわっと舞い降りたことばです。

 

「準備せよ。そして待て」

 

このことばは、いつもこんな質問を自分自身に投げかけてくれます。

 

準備は万全か?

心が焦るのは、自分自身の準備が整っていないからではないか?
たった今、目の前に、チャンスが現れて、
自分はそれを確実につかまえられるだけの準備があるのか?

準備がないから自信がないのではないか?

自信がないから、焦るのではないか?

 

心の中のクエスチョンマークを完璧に消し去ることはできないとしても、
限りなく、小さくする努力はできるはず。

クエスチョンマークが小さくなるほどに、自分への自信が大きくなる。

やがて焦ることなく、その「時」を待てるだけの余裕が生まれる。

そして、その域に入ってはじめて、本当のチャンスがやってくるのです。

業界の人と知り合いたい、デビューしたい、ライブをやりたい、
プロになりたい、実力を認められたい・・・

そんな風に気持ちばかりが焦って、
苦しい日々を送っている若者は多いと思います。

 

しかし、今できる最善のことは、
準備すること。
最善の準備をすること。

 

それは、会いたい人と会えたときに自分自身が与える印象かもしれない。

手渡すことになるデモや、宣材写真かもしれない。

いきなり訪れるオーディションやパフォーマンスのチャンスかもしれないし、

メジャーアーティストへの楽曲提供や、サポートのオファーかもしれない。

もしかしたら、シンデレラストーリーのような、デビューのチャンスかもしれません。

 

そんな、願ってもないチャンスが、今、目の前にあったとして、

自分は準備ができているか?
今すぐ、人前に立って、最高のパフォーマンスを見せられる自信があるか?
テレビを通して、ファンを獲得できる自信があるか?

 

そんな質問に、Yesと答えられないうちは、まだまだ準備が整っていないこと。

 

万全の準備と自信。

“If you build it,they will come.” (映画”Field of dreams”より)

本当に自分自身の準備ができたとき、それは訪れる。

 

「準備せよ。そして待て」

どんなときも心を離れない、大切なメッセージです。
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インサイドストーリーは、私が「デモ音源」にこだわる理由、そしてデモが私を連れて行ってくれたところ、などについて書き綴る、『obsession with デモ音源 』シリーズの第1回です。
読んでいただけると、どうして私が、そんなに「デモをつくれ!」と言うのか、
デモ制作に細かくこだわるのか、
きっとわかっていただけると思います。

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