大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「ど〜せ私はイケてない・・・」からの脱却法

   

学年にひとり、ふたり、いや、クラスにひとりくらいはいたでしょうか?

誰が見ても可愛くて、持ち物や私服も垢抜けていて、
なにより、自分が一番それをわかっている、という「イケてる子」。

同じくらいの確率で、誰がどう見てもイケてないのに、
なぜか自信を持っている、「不思議ちゃん」、または「勘違いくん」がいて、
「イケてる子」になりたくて、雑誌を見たり、
お小遣いはたいて買い物したり、お化粧の研究したり、
あの手この手、「がんばってる子」が、まぁ、その10倍。

残りは、自分がどう見えようと全く気にならない「無関心組」と、
だははは、どうせこんなだしね〜。という、明るい「開き直り組」。

 

そして、日々、自己嫌悪に苛まれながらも、
自分を変えるすべを持たない「あきらめ組」に分かれます。

 

今日は、そんな、イケてない「あきらめ組」が、
自分を変えるために取り組むべきことを、
限りなく経験則に基づいて、書き綴ってみたいと思います。

 

1. 自分から目をそらさない

「あきらめ組」は自分が嫌いです。
自分を直視できないので、鏡を見ることも拒否したりします。
もちろん、自分が写る写真を見るのも嫌いです。

しかし、ここで知って欲しいのは、
「他人は、自分ほど、自分に興味を持っていない」ということ。
つまり、自分の欠点を片っ端からあげつらうことができるのは、
自分自身だけ。

そして、自分は、その、他人には気づかれないような、
枝葉のひとつひとつが嫌で嫌で、徹底的に自分を嫌うのです。

まるっと「自分が嫌い」などと言う前に、
どことどこがどんな風に嫌いなのか、勇気を出して向き合う。

それはまさしく、嫌悪感、恐怖感、孤独感との戦いでもありますが、

自分が取り組むべき問題を具体的に知ることができる
唯一の方法です。

一体全体、自分の何が嫌いなのか、徹底的に分析し、書き出してみることから、
すべてははじまります。

2. どう変わればいいのかを具体的に考える

最初は、「首から上をすげ替えたい」「カラダを全取っ替えしたい」など、
派手な変化でなければ納得できないと思うかもしれません。

しかし、そこをもうちょっと冷静に分析すると、
意外に、「歯並びを変えれば」とか、「体重が10キロ減れば」とか、
「顎がとんがれば」などと、具体的な改造案が浮かんで来るものです。

プランに落とし込めた段階で、自己嫌悪のレベルは少し低くなるもの。
そして、方法論が見えてきます。

勘違いでもいい。とにかく、具体案を次々考えてみることです。

3. 変わりたいのはなぜなのかを考える

無人島に流されたら、容姿も性格も才能も、なにひとつなくても、
丈夫な身体と生命力があれば、満足できるでしょう。

変わりたいのには、理由があるものです。

人に認めて欲しい。
愛されたい。
自分で自分を認めたい。
尊敬されたい。。。。

その理由を掘り下げると、取り組むべき問題が見えてきます。

容姿や性格、声を変えるより、自分自身の生活習慣を変えるべきだったり、
相手に対する自分の反応を変えるべきだったり。

もしかしたら、自分が好きになれないのではなく、
今自分がいる場所が違うのかも知れない。

どんなことにも必ず理由はあります。

4. 自分自身のいいところを受け入れる

人が誉めてくれる、自分のいいところを、再点検します。

心がやさぐれていると、人の褒め言葉は自分に届きません。
誉められるほどに、「そんなことない」「そんなのおせじ」と
なおさら、心が辛くなる。
しかし、自分が赤の他人だったら、
思いもしないことで相手を誉めたりしませんね?

自分のいいところにフォーカスできないで、
悪いところにばかりフォーカスしていたのでは、
どんどん悪いスパイラルに入ってしまいます。

好きと思えるところ、誉めてもらえるところを、
どんどん膨らまして、そこに焦点を当ててみる。

小さなことでも、自分を認められるようになると、
そこから、どんどん膨らんでいくものです。

 

5. できることはすべてやってみる

「すべてのことが可能だったら、自分は自分をどう変えたいか?」

そう考えて、可能な限り、すべてのことをやってみることです。

ダイエットでも、エクササイズでも、エステでもいい。
ボイトレでも、ダンスでも、トレーニングでもいいし、
お化粧を習ったり、ファッションや髪型を思い切って変えてしまうのもいい。

今までの自分を誰1人知らないところに属して、
思い切って新しい自分を演じてみるのもいいし、
新しい団体に属してみるのもいいかもしれない。

演劇などをはじめてみるのもいいかもしれませんし、
歯列矯正に取り組んでもいい。

プチ整形くらいで自分が幸福になれるというのなら、
やっちゃったっていいと思います。

かつてやっていた『変身バラエティ番組』ではないですが、
目が二重かどうかなんて、自分以外の誰にもわかりません。
しかし、二重になったとたんに、表情が変わる。
自信たっぷりで魅力的になる。

 

結局は思い込みと勘違い。
「自分を好き」と言い切れた人の勝ちなのです。

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 - イケてないシリーズ

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