大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

こんな人は、ボーカリストに向いている!?

   

仕事の向き不向きは、その人の体格や、
持っているスキルだけで決まるものではありません。
メンタル面も大きく影響します。

今日は100%私見として、
「こんな人は、ボーカリストに向いている!?」をお届けします。

 

1. 自己顕示欲が強い

鳥が鳴くのは異性を惹き付けるため。
ライオンが吠えるのは、相手を威嚇するため。
そして、イヌが吠えるのは、なんらかの情報をご主人様や同胞に伝えるため。

つまり、声を出すこと=目立ちたいのです。

人に見られたい、気にされたい、話を聞いて欲しい・・・
そんな自己顕示欲が強いほど、
声やパフォーマンスから発せられるエネルギーも強大になり、
聞く人の心に飛び込んでいくものです。

 

2.集中力が高い

気の散りやすい人はボーカリストには向いていません。

ステージの真ん中では、ありとあらゆることが起こります。

ライトで一切まわりが見えない。
または、客席が明るすぎてお客さんの表情が丸見えである。
自分の声が聞こえない。バンドが間違える。
照明がいきなり変わる。お客さんが席を立った。
誰かの携帯が鳴った。。。。

どんなときでも、それらが一切気にならないくらい、
歌やパフォーマンスに集中できるかどうか。

ケガをしたり、衣装が破れたりすることも忘れて歌えるか。
アクシデントでひっくり返っても歌い続けられるか。

ボーカリストはこうでなくっちゃ、であります。

反対に、集中力がありすぎる人はまわりが見えないため、
プレイヤーには向いていません。経験上。。。

 

3.思い込みが激しい

ボーカリストは俳優であり、女優です。
その瞬間瞬間に、歌詞の世界をリアルに体現する必要があります。

2時間足らずのコンサートの中で、
恋をしたり、失恋したり。
世界中を旅して、牢獄に入れられて、
大切な人を失い、夢見るような幸せと出会い・・・

そんなさまざまなことを、あたかも、たった今体験しているかのように、
新鮮に感じて、伝えなくてはならない。

思い込みが強くなければ、絶対に伝わりません。

 

4.自分をさらけ出せる

ステージではどんなごまかしも通用しません。
聞く人は本能的に、歌う人の本質をかぎ分けます。

ボーカリストはストリッパーのようなもの。
自分をさらけ出せてなんぼです。

素っ裸になって自分をさらけ出すことが、人の心を動かすのです。

鎧を着て、仮面をかぶったまま、人を感動させることはできません。

 

5.めげない、または、立ち直りが早い

目立つ人を気に入らないという人は世の中にたくさんいます。
ボーカリストのみならず、目立ってしまう人には批判や悪口はつきものです。

ミュージシャン仲間やお客さんの中には口の悪い人もいます。
有名になれば、メディアに叩かれたりもします。

パフォーマンス回数が増えれば、それなりに失敗もあるでしょう。

いちいち凹んでいたのでは身が持ちません。

もちろん、ボーカリストになるような人は繊細な人が多いので、
傷ついたり、落ち込んだりするのは無理もありませんが、
ステージの最中に、失敗に捕らわれていては、さらなる失敗を招きます。

ある日ステージでどかんと落ち込んでも、
次の日はけろりとゼロからステージに立てなくては、ボーカリストはつとまりません。

 

6.照れずにカッコつけられる

照れくさそうにステージに立つマイケル・ジャクソンを、
誰も魅力的とは思わないでしょう。

レディガガの奇抜なファッションがカッコいいとされるのは、
本人が全くわるびれないから。

「自分がオーディエンスだったら、こんなスターを見たい」
を体現しているのかも知れません。

カッコつけられることは、ボーカリストの絶対条件の一つです。

 

7.羞恥心が希薄

コンサートの最中、お客さんはじっとボーカリストを見つめます。
というか、ボーカリストがお客さんに見つめてもらえないようでは困ります。

人に見られるのが恥ずかしいなどと言う人は、
とてもじゃないけど、耐えられる状況ではありません。

黒いサングラスなどをかけて、ばれないように視線を外している人もいますが、
お客さんの方が恥ずかしがるくらい見つめ返せるようでなければ、
フロントマンとしては失格です。

 

8.人前で極端に緊張しない

人前に出ると、心臓バクバク、右手と右足が一緒に出ちゃう。
頭に血が上って、全身から汗が噴き出して、
何が何だかさっぱりわからなくなる・・・
 

そんな風に極端に緊張してしまうという人は、
もちろん、ボーカリストに向いているとは言えません。
人前に立って、ある程度緊張するのは当たり前です。
全く緊張しないようでは、むしろ、いい演奏ができないでしょう。

適度な緊張状態をキープできるのが、いいパフォーマンスのコツと言えます。
 

9.自分大好き

自分が好きだから、人に自分を見せたくなる。

自分が好きだから、ありのままの自分を受け入れ、さらけ出せる。

自分が好きだから、いい歌が歌える。

自分が好きな人は、自信にあふれているものです。
そんな人を、人は魅力的だと思うのです。

 

10.人も好き

音楽はひとりではできません。

ミュージシャン、オーディエンス、スタッフ、事務所の人、
レコード会社の人、お店の人・・・

たくさんの人に支えられて、はじめて成立するお仕事です。

人と関わることが苦手な人は向いているとは言えません。

 

 

いかがですか?

もちろん、ここに上げた性格と正反対の人も、
ボーカリストにはたくさんいます。

苦手なことがあるからこそ、必死にがんばって認められたという人もいますし、
人とは違うスタイルを持っているところがユニークだと評価される人もいます。

自分を知って、自分を生かすこと。
それこそが大切なことなのではないでしょうか?

あなたはどんな性格ですか?

34500208_s

 - The プロフェッショナル, プロへの突破口

Comment

  1. なかせ やすお より:

    読ませてもらい、めちゃくちゃためになりました、ありがとうございます、感謝してます

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

好きで、得意で、何時間でもできることだけをがんばる。

かつては、何でもかんでも自分でやらなくちゃ気がすまない、 とりあえず、まずは自分 …

「自分のことば」になってない歌詞は歌えない!

役者さんがしばしばつかうことばに「セリフを入れる」というのがあります。 この「入 …

歌詞カードを丸暗記するより大切なこと。

本番直前になると、こういうブログを書いていることを、心の底から後悔します。 &n …

「そこまでやる?」がオーラになる。

「そこまでやらなくても・・・」 思わず、そんな風に言いたくなるほど、こだわりの強 …

どんなに「ふり」をしても、オーディエンスは一瞬で見破るのです。

「わからないことを、わかっているかのように、 できないことを、できるかのように語 …

ゴールを鮮明に描く。

「がんばっているのに、どうも成果があがらない」、 「なんかうまくいかない」という …

バッファーをとる

ビジネス用語として最近よく使われる、「バッファー」ということば。 「緩衝」つまり …

自己表現のための”自分アバター化作戦”

かつて、ハワイ出身の日系アメリカ人女性シンガーに、 英詞の提供をしたことがありま …

「学校なんかいくら通ったって、 人を感動させられる歌なんか歌えるようにならないだろ?」

音楽やりたい、バンドやりたい、と思った瞬間を覚えているでしょうか? お兄ちゃんが …

ことばに「自分の匂い」をしみつける

ことばには、話す人の匂いがあります。 同じことを言うのにも、ことばの選び方や言い …