大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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自分のギャラの基準 <後編>

      2015/09/07

さて、クライアントの提示してくるギャラの金額に対する納得度は、
仕事相手との関係性、やりがい、自分のキャリア、
通常もらっている金額などなどによって、大きく変わります。

 

ギャラの金額なんか度外視、なんならタダでも喜んでやらせていただくお仕事

ギャラは出なくても、この仕事なら楽しいから、ま、いいやと思えるお仕事

・あんなに楽しかったのに、ギャラまでもらっちゃっていいの〜?得した!というお仕事

・うっそぉ、意外に楽だったのに、こんなにもらえるの?ラッキィ〜というお仕事

・ギャラの金額、自分の能力、労力のバランスが取れている、と納得できるお仕事

・労力と自分のキャリアに対して、ちょっとなぁ・・・と感じてしまうお仕事

・はぁ〜〜???まさか、これだけ〜?と驚いてしまうお仕事

・マジで、払わないつもり〜??という信じられないお仕事(ボランティア?)

 

もちろん、すべてケースバイケース。
メールの時代になってから、ずいぶん交渉が楽になりましたが、
少し前までは電話しなきゃと考えるだけで、胃の周りがど〜〜んと重くなったり、
心臓がバクバクしたりしたものです。

ギャラの金額をめぐる感情のジェットコースター。
あらかじめ、自分なりに線引きをしておくと、
迷ったり、嫌な思いをしたりということが少なくなります。

 

参考までに私のギャランティ、Myルールをご紹介しちゃいます。

 

1.お金をいただくつもりがないときは、最初から決然とした態度で。
オファーされても受け取らない。

・ご恩返しのとき

・相手の内情を理解でき、ギャラなしでも納得できるとき

・失敗してご迷惑をかけたとき・・・など

 

2.納得のいく金額が出ないときは、あえて受け取らない。

・些少でもいただけばお仕事です。その金額でお仕事をしたことになってしまい、
プライドが傷つくことも。

・受け取らなければ、心意気でやったことになり、
その方がいい気分で帰ってこられるケースもあります。

 

3.自分のギャラの定価表を持つ。

・ギャラを聞かれたときに、
その場、その場で、「いくらにしようかな?」などと考えているから、
ことばが曖昧になって相手を迷わせたり、後から後悔したりすることになる。

・ギャラを尋ねられたときに「定価」を提示できることは、
自分のブランド、キャリア、自信などの裏付けとなり、
職業ミュージシャンの大きな武器になります。
・いくらでもいいようなことを言っておいて、
金額を提示されてからごねるのは最悪です。

 

4.初めてお仕事をする相手とは、可能な限り前もってギャラのお話をする。

・初めてお仕事をする場合、相手もこちらの定価を知りたいと思っています。
きちんと定価を伝えて、相手の反応を待ちましょう。
先方のネゴシエーションに応じるかどうかは仕事の内容次第。

・こちらの金額がびっくりするほど高ければ、
「他をあたります」と言ってきますが、その時にあわてて価格を下げたりしないこと。

・反対に、先方の提示価格がびっくりするほど安ければ、勇気を持って辞退する。
業界はうんざりするほど狭く、情報は呆れるほど早く巡ります。
「あの人、あの会社では、あの金額で仕事してるらしいよ」と噂になれば、
あっという間に自分のスタンダードは下がってしまうのです。
ノドから手が出るほどやりたい時期でも、やらない方がいい仕事はあるのです。

 

5.仕事後に、先方から「今回はこれでお願いします」ときっぱり言われたら、
ネゴシエーションはしない。

・きちんとしたクライアントなら、お仕事やこちらのレベルに応じて、
適性ギャラをオファーしてくれます。
適性ギャラより安いときは、「今回はこれで申し訳ありません」と謝られるし、
こちらが思ったよりいい仕事をしていれば、次に恩返しをしようと思うものです。

・どうしても納得できない金額なら、次から仕事の前に交渉するか、
二度と引き受けない。

・ただし、あまりにもあり得ない金額だったら、
作業時間やプログラムなどの確認をするのはいいでしょう。

 

いかがでしたか?

お金の話が難しいのは、音楽業界だけではありません。

しかし、売っているものがテクニックやノウハウ、
アイディアという形のないものだけに、
自分自身がしっかりしていないと、なかなか気持ちよくお仕事できません。

ミュージシャンとしてのグレード、自分自身の演奏のグレードのためにも、
時間をかけて、考えておきたいことです。

 

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 - 音楽業界・お金の話

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