大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「これ、誰歌っているの?」と思わず聴いてしまうデモの歌唱とは?

   

「このデモ、誰が歌ってるの?」

 

初期のスタジオのお仕事は、すべて、作家さんの曲デモのお手伝い、
または自分がつくっていたデモテープがきっかけでいただきました。
ルックスも年齢も経歴も、スタジオの現場では関係ありません。
デモのクオリティ一こそが勝負です。

いい声であることは必要条件のひとつではありますが、
歌手を志す人のほとんどが、多かれ少なかれ「いい声」であることを考えれば、
それだけでは充分ではありません。

 

 

では、デモを聞く音楽業界のプロフェッショナルたちが、
「これ、誰歌っているの?」と思わず聴いてしまうデモの歌唱とは、
どんなものなのでしょう?
(今日はアーティストのデモではなく、あくまでも、
プロ・ヴォーカリストのデモという観点でお届けします。)

 

さて、当たり前すぎることですが、ピッチ、リズム、カツゼツなど、
最低限、プロのレベルに達していなかったら、もちろんNGです。
 

音痴じゃない、音があっている、メロディがきちんと歌えている、
というだけでは、歌のじょうずなアマチュアレベルと変わりません。

プロの歌は、プロが聞いても、
細部まできっちり気持ちを通わせて歌われているものです。

さらに、「お、うまい」と思わせるポイントは・・・

1. 細かい音符までピッチを正確に歌っている

2. 16分などの音符が小気味よくハマっている

3. ビブラートが意図的に気持ちよくコントロールされている

4. フレージングが的確で、センスがいい

5. 音の長さや、間などが心地よい

6. アドリブが効いている

7. 音の終わり、ことばの語尾まできっちり、神経が行き届いている

8. ダイナミクス表現で、聞く人の気持ちを持って行ってしまう

9 . 圧倒的な声量がある

10. 英語がネイティブ並にうまい

11. ニュアンスの付け方が、的確である、または特徴的で、とても気になる
 

そして、

12. なんだかわからないけど、やたらカッコいい。。。

などなどでしょうか。

 

もちろん、ここに書いたことがすべてではありませんし、
これらをすべて網羅する必要もありません。

ただ、いい意味で、目立たなくては次のステージには上がれないということです。
 

ある程度の知識があれば、ピッチやリズムはちょいちょいっと直せる時代です。
ダイナミクスや音色も、加工次第でそれなりに聞こえたりもするでしょう。

しかし、人の胸を打つのは、本物のパフォーマンスだけ。
人は感動したときしか行動しません。

プロの歌を聞き慣れているプロの心を動かす。

プロを目差すなら、1曲入魂。
デモ制作には、徹底的に、真摯に取り組むしかないのです。

そして、そんな努力が自分自身のレベルを、
いつか本当のプロのレベルまで引き上げてくれるのです。

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 - プロへの突破口

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