大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ゆっくりやってもできないことは、速くやったらなおさらできない。

   

「速くて難しい曲」、どうやって練習していますか?

 

学生などの練習でよく見かけるのが、
何度も、何度も、ただひたすら、速いテンポのオケをかけて、
「もう一回っ!」と繰り返し弾いたり、歌ったりするスポ根練習。

 

確かに速いテンポに慣れる必要があることは認めますが、
それって、本当にできているのでしょうか?

 

一度、Slow Playerなどを利用して、
自分が演奏できる、または歌える、ゆっくりしたテンポにオケを落として、
弾いたり、歌ったりしてみてください。

 

さてさて、どうですか?
ゆっくりしたテンポなら、止まらずに完璧にできていますか?

 

実は、めちゃくちゃ練習しているにもかかわらず、
なかなか規定のテンポで演奏できない人は、

このスロー再生練習で、どんなにテンポを落としても、
驚くべき確率で、つっかえたり、間違えたりします。

 

つまり、そもそものフォームができていない。
どこかわかっていない。
なんとなくできてはいても、精度が低い。

絶対的に間違えたり、つっかたりする要素を抱えたまま、
がむしゃらにテンポだけをあわせようとしているのです。

 

うまくいかないことには理由や原因があります。

手が回らない、ノドやカツゼツがついてこないのは、
フォームに無理があったり、
力が抜けていなかったりするためです。

 

そんなときは、とにかく徹底的に、
笑ってしまうほど、ゆっくりのテンポ、
自分がつかえないで演奏できるテンポにまで落として練習してみましょう。

 

ポイントはメトロノームなどで、一定のテンポをキープすることです。

 

テンポ・キープなしにこの練習をしても、
都合よく、難しいところだけ、さらにゆっくりと弾いてしまうので、
あまり効果はあがりません。

 

まずは自分が弾けるテンポでの演奏精度を上げていくこと。
そして、ある程度の精度を得られたら、
その精度をキープして演奏できるように、テンポを徐々にあげていく。

最終的に、フォームを崩さず、精度を下げず、
目的のテンポで演奏できるまで練習する。

 

速い曲の練習方法はこれしかありません。

 

 

これは、楽器演奏に限らず、スポーツでも、ゲームでも同じです。

 

このことを説明するためにモグラ叩きを例に出すことがあります。
どんなに速くハンマーを振り下ろしても、
肝心なのは、確実にモグラを仕留められるかどうか。

精度が上がらないなら、速く叩けても意味がないですね?

「ゆっくりやってもできないことは、速くやったらなおさらできない。」
まずはゆっくり。フォームをしっかり。
練習の基本です。

18692120_s

 

 

 - 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

ヴォーカルが絶対上達するスーパートレーニング

何年歌ってもなかなか歌が上達しない理由は、 1.ピッチやリズムなど、ちゃんと歌え …

「練習」とは「工夫すること」

楽器や歌を習得したい。上達したい。   しかし、実際、何からはじめたら …

自分自身のフィードバックシステムを磨く

オープンレッスン12、全6日間の3日目が終了しました。   発声と歌の …

緊張に打ち克つ。

多くの人に相談される悩みのひとつに、 「人前に出ると緊張してしまって、声が出なく …

「習うより慣れろ」vs「慣れるより習え」

「歌なんか習う必要ないでしょ? かえって個性殺されちゃうから、やめた方がいいよ。 …

練習の成果は「ある日突然」やってくる

はじめて「上のF」が地声で出た瞬間を、 今でも鮮明に覚えています。 学生時代は、 …

「どう記録するか」より、「どう記憶するか」

スマホの時代になって間もなくのこと。 こちらが、それはもう夢中で、 なかなかいい …

「どうせ向いてない」を変える3つのプロセス

楽器の練習や歌の練習、パフォーマンスや創作活動がうまくいかないとき、 自分がどう …

人間がカラダをつかってやることの基礎って、すべて同じなんだ。

うん十年ぶりにスキーというものに出かけてきました。 ぶっちゃけ、学生時代に友だち …

ちゃんと鳴らす!

ヴォーカルのテクニックのひとつに、 「息混じりに歌う」というのがあります。 基本 …