サポートミュージシャンを目差す人が取り組むべき、最も大事なトレーニング
2017/08/13
一流のアーティストたちと大きなホールをツアーして回る、
いわゆる、サポートミュージシャンを目指している人は多いと思います。
そうした仕事に出会えるかどうかというのは、
もちろん、運もコネも必要ですが・・・
どんなコネがあっても、出会いがあっても、
準備OKじゃない人は、絶対にそのチャンスをものにできません。
では、
『サポートミュージシャンを目差す人が取り組むべき、最も大事なトレーニング』
とは、なんでしょう?
それは、「コピー」です。
それも、「完コピ」です。
は?またコピー?
なんだか、この人、コピー、好きよねぇ。。。
そんな風に思ったでしょうか?
大きなコンサートツアーのお仕事が決まると、
どさっと資料が送られてきます。
本番やリハーサルのスケジュール表、メンバー表などと共に、
送られてくるのは、楽譜の山と、音源です。
大御所のアーティストほど、曲数もたくさん。資料もたくさんあります。
マスターリズム、メロ譜、歌詞カード、コーラス譜・・・
中には、『メドレー』と書かれた、巻物のような資料がくることもあるし、
「○○年××コンサートバージョン」などと、同じ曲でも、
別アレンジの譜面が来たりすることもある。
長いコンサートツアー中、メニューを変えるかも知れないからと、
予備の曲などが入っている場合もあります。
音源は今の時代ならメールで届くでしょうか。
そんな風に、送られてくる20数曲から30曲以上の曲を、
リハーサル初日までにしっかり予習して、形にして行かなくてはなりません。
言い訳無用です。
曲が難しかろうが、体調が悪かろうが、どんだけ売れっ子で予習する暇がなかろうが、
バンマスや、スタッフに「こいつは仕事を舐めている」と思われたら、
ゲームオーバー。
ツアーの仕事をノドから手が出るほど欲しがっているミュージシャンは腐るほどいて、
そんな中には、もちろん、一流仕事の経験豊富なベテランも、
新進気鋭の若手もいて。。。
代わりは、本当に、いくらでもいるわけです。
さて、そんなプレッシャーの中で、
サポートミュージシャンが期待される仕事とはなんでしょう?
答えは簡単です。
「資料を完璧に再現すること」です。
どんなにプレイヤーが実力派ぞろいで素晴らしくても、
どんなにその演奏が芸術的に優れたものであっても、
すり切れるほど聞いてきた、自分の大好きな曲のイントロが、
似ても似つかないアドリブの嵐だったら、
がっかりしたり、腹が立ったりしませんか?
個性を出すなとか、アドリブをしてはいけないとかいう次元の話ではないのです。
最初に期待されることは、「音源通り」だということです。
ホールツアーレベルのアーティストともなれば、
音源のレコーディングに参加しているミュージシャンも、
当然ながら、もちろん、一流どころばかりです。
国内外の一流プレイヤーの名演の数々を「音源通り再現する」のは、
口で言うほど、簡単なことではありません。
楽譜通り弾ければいいというのでは、もちろんない。
コンサートに足を運ぶお客さんは、そのアーティストの大ファンばかり。
アーティストに惚れ込んで、何度も何度も音源を聞き込んで、
細かい部分まで完璧に覚え込んでいるようなお客さんばかりです。
そんなお客さんなら、音色が違っても、ちょっとしたタイミングや、
ボイシングがちょっと違うだけでも、違和感を覚え、
消化不良な気分になるものです。
つまり「完コピ」は最低限、絶対にできなくてはいけないことなのです。
個性も、アドリブも、
オリジナルを越えていけるかどうかの勝負はその先にあるのであって、
その手前ではないのです。
つまり、仮にもサポートの仕事をやるような人は、
完コピくらいはお手の物であるべき。
そして、その「完コピ」を、いかに、誰よりも、
強烈にカッコよくできるかどうかが、売れっ子になるかどうかの決め手のひとつです。
いかがでしょう?
コンサートツアーなどを切れるような、
一流どころのサポートミュージシャンを目差しているなら、
今一度、自分のコピーの精度を見直してみましょうね。
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