大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

問題意識とスリルが「学び」のカギ

      2016/10/27

人の話を素直に聞く、言われたことを一所懸命やる、ということは、
人にものを教わる人の姿勢として、とても大切なことです。

でもね。それだけではダメなんです。

問題意識を持つということ。
いつも、「なぜ?」「どうして?」と疑問を持ち、
それを解明していこうと努力することが積極的に学習するということです。

例えば、「お腹に空気を入れて」と言われたら、
黙ってお腹に空気が入る感覚を味わうのも大事ですが、
一方で、「え?空気の入るのってお腹だっけ?」と疑問が生まれませんか?

「横隔膜を引き上げて!」と言われて、「横隔膜ってどこにあるんだろう?」
「どんな形してるんだろう?」「そもそも何なんだろう?」
という疑問を持たないから、頭をよぎってもそれをスルーするから、
脳のレベルでカラダの使い方を理解できないのです。

だからといって、
何でもかんでもお手軽に質問すればいいかというと、それは違います。

正解は自分で見つけるからスリルがある。
スリルを感じるから、どんどん掘り下げていきたくなる。
面白くなる。

そうして仕入れた知識は一生ものです。
それこそが、カラダの感覚と共に、しっかりと脳に刻まれて、
けして自分から逃げていくことのない、ホンモノの学習です。

現代は、疑問を持ったその瞬間に、PCを開くだけで、
いくらでも情報が飛び込んでくる時代です。
調べて行くうちに情報を効率よく得るためのノウハウもわかってきます。

どうしても解決できないとき、
その答え合わせを、トレーナーに投げかけてみると、
それまで以上に深い情報を手に入れることができたりもします。

いつも言うことだけど、
人よりも頭一つ抜け出たいなら、人と同じ事をしていたらダメです。

黙って素直に、言われたことを一所懸命やる・・・なんて、
つまり基本中の基本なんです。

そこから一歩進むこと。
問題意識を持つこと。
スリルを感じながら、積極的に学んで行くこと。

そんな積み重ねが、やがて大きな差を生むのです。

今日14時頃発行のメルマガでは
『いいボイストレーナーとは?』について書きました。
最近、ちょっとひどいトレーナーの話を連続して聞いてしまったので、
ちょいと激しく書いてます。
また、「MISUMIさんってコワイ」って言われちゃうのかな〜?

バックナンバーも読めますので、よろしければ是非こちらから登録してくださいね。

 - 未分類

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  関連記事

風邪のサインを見逃すな!

以前、『風邪をひいたら歌っちゃだめなんです』 という記事に書いたように、 レッス …

no image
「自分の声は変えられますか?」

「自分の声は変えられますか?」 異業種交流会のような場で、 名刺を出して、私の仕 …

no image
「話すためのボイトレって、何するんですか?」

「話すためのボイトレって、一体何するんですか?」 一般向けのボイトレセミナーや講 …

no image
夢のチカラ

「こんなことができたらいいな。」 「こんな風になれたらいいな。。」 毎日のように …

ミュージシャンに向いている人って?

「ミュージシャンに向いている人ってどんな人ですか?」 そんな質問を時々受けると、 …

no image
“I know what I’m doing”

「今の、どうでした?できてませんでした?」 そんな質問を繰り返す子に限って、レッ …

no image
「やる気」を引き出す3つの方法

まれに、「やる気のない生徒にボイトレをする」という、 謎の事態に遭遇することがあ …

no image
平均的な舌って、なに?

誰しも、生まれながらの自分のカラダが、 自分にとってのスタンダード=標準規格です …

no image
上達のキーワードは「イメージ力」

歌は、誰かに教われば上達するというものではありません。 もし、有能なトレーナーに …

no image
解剖学の本から『笑筋』が消える日?

うまく笑えない子が増えている。 「にっこり笑って」と言われて、前歯をきらりと見せ …