大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

スタジオ・ミュージシャンって何するの?

   

私のプロフィールには、
「500曲以上のレコーディングに参加した」と書いてあります。 

これは、出版準備をしていたときに、当時のメンターの方に、
「プロフィールには具体的な数字を入れなくちゃダメ」
とアドバイスをいただき、

過去に参加した仕事の記録を、
作品として残っているものはそのライナーノーツから、
残っていないものは、過去の手帳や請求書の控えなどなどから、
可能な限りすべての作品名を掘り起こし、カウントした数字です。

自分自身がアーティストとしてつくらせてもらった作品はもちろんですが、

20年以上に渡り、スタジオ・ミュージシャンとして参加した、
作品のひとつひとつを掘り起こしながら、
ずいぶんさまざまなお仕事に関わらせていただいたものだと、
感慨もひとしおでした。

 

「スタジオの仕事」と一口に言っても、本当にさまざま。

 

特殊な仕事でもあるので、ミュージシャンの中にも、
スタジオの仕事は経験したことがないという人はたくさんいます。

意外と知られていない、細かいお仕事もたくさんあるので、
今日は思い出すままに、つらつらと、
『スタジオ・ミュージシャンって何するの?』を紹介してみたいと思います。 

私の体験したものに限られますので、
もちろん、ヴォーカリストの仕事だけになっております。

 

○仮歌

作曲家やアレンジャーがクライアントに曲を納品するとき、
イメージを伝えやすくするために、

または実際のヴォーカリストが歌うための、お手本やガイドとして、
歌われる仮のヴォーカル。
 

○カラオケのコーラスや仮歌

カラオケについてくるコーラスや、お手本の歌。
最近はボーカロイドなどで代用しているケースも多いようです。
 

○ジングル/サウンドロゴ

テレビやラジオで、番組とCMの間に流れる(番組名などの)数秒の短い曲や、
CMの中で流れる数秒の短い曲。

“マクドナル〜ドっ!””ケンタッキーフラーイドチッキン♪”
のように企業名を歌ったものや、

“スゥ〜パァ〜バリューセットッ!”
“ツイスタ〜”

などのように、商品名を歌ったものなどがあります。

 

○ドラマやアニメなどの主題歌/挿入歌

かつては地上波しかなかったテレビ番組。
主題歌や挿入歌を歌うと、それなりに人の耳に触れたものです。

今や、ケーブル、衛星、インターネットと、番組の数は劇的に増え、
その影響力も変わってきました。
 

○アーティスト作品のコーラスやゲスト・ヴォーカル

一口にアーティストといっても、
メジャーアーティストからインディーズアーティスト、
新人からベテラン、大御所、
アイドルからロック、ヒップホップ、演歌、R&B・・・etc.etc…

大きなスタジオを何日間もロックアウト(貸し切り)して、
行われる大規模で予算もたくさんかかった作品から、

個人スタジオで、周囲の苦情を気にしながらレコーディングされる、
プライベートな作品まで、

どんな作品も、アーティストやスタッフの、
さまざまな思い入れや思惑や事情が交錯していて、
関わるのには、それなりのキャリアや実力、気合いがいるものです。
 

○映画の主題歌/挿入歌

最近でこそ、Vシネマといわれる、
ビデオやDVDのみで発表される作品もありますが、
かつての映画は映画館で流れるのが前提。

興行的に成功する大作でないかぎり、
テレビやラジオのお仕事よりも、露出は少なくなりますが、
劇場という場所で流れる音楽として、

また、たくさんの予算や時間、スタッフの手がかかった、
後世に残る作品として、責任の重い仕事とも言えます。
 

○「企画もの」のヴォーカル/コーラス

まだCDが売れた時代は、アーティスト先行ではなく、
「企画もの」=プロデューサーやレコード会社が企画した作品というのが、
よくつくられていました。

 

昔のハードロックをレゲエにアレンジしたり、
ラテンの曲に日本語を乗せたり、
アニメの主題歌をメタルにしたり・・・

そうそう、女子プロレスの登場シーンにつかう曲というのもありました。

 

○ダンスミュージック

CD屋さんで売るというよりも、
主に日本全国のクラブなどでかけることを目的につくられた音楽。

 

全国のクラブでヘビロテされているもののチャート、
クラブチャートというのもあって、
チャートインするような曲は、時々コンビニなどでも耳にしました。

 

○CMソング

言わずと知れた、CMの中でかかる曲です。

15秒ぴったりでつくるものから、1分程度の長めにつくるものまで。

海外アーティストや大物とコラボしたり、
テレビでヘビロテでかかったりするメジャー作品もあれば、

地方局だけでかかるような、
歌った本人が一度も耳にしないような作品もあります。
 

○ゲームミュージック/パチンコミュージック

ゲーム好き、パチンコ好きという人以外は
絶対に耳にしない音楽でありながら、

お好きな人たちにとっては、この上なく「上がる」、
そして、耳になじんだ曲だったりします。

 

○イベント用の作品

モーターショーなどのような大きなイベント会場から、
遊園地のイベントまで、イベント会場のみでかかる曲。

まれに、CD化されることもあります。

 

さらさらっと書くつもりが、
なんだか自分でもびっくりするほど多岐にわたっておりました。。。

 

まだ思い出し切れてないものもあるかもしれませんが、
まぁ、このくらい、さまざまな仕事があるんですよ、ということで。

 

日頃意識することもないけれど、
世の中は、こんなに音楽であふれていて、
その1曲1曲に、制作に関わっている人たちと、
その思いがあるということを、
ちょっとでも知ってくれると嬉しいです。

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 - The プロフェッショナル

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