大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

目一杯のインプット&勝負をかけてのアウトプット

      2016/04/24

どんな人にも、
スキルを上げるべく、目一杯インプットしたり、
勝負をかけて、アウトプットしたりする時期と、
日々の仕事をこなしている時期とがあるでしょう。
 

そして、誰でも、日々の仕事をこなしているときは、
多かれ少なかれ、「手癖」のように、何も考えないで、自動的に、
処理したり、語ったり、創ったりしている部分は否めません。
 
だからこそ、そうした「こなす仕事」は、
負荷を感じずに、流れの中でできるわけです。

 

一方で、なぜそうして、さまざまな仕事をこなせるようになるのかといえば、
「目一杯のインプット&勝負をかけてのアウトプット」の時期があるからです。

もちろん、ここでは、「歯磨き」や「蝶結び」のような、
「とりあえず長くやってりゃ誰だって」レベルのことを言っているわけではありません。

 

淡々とこなしていても、人に評価してもらえるようなレベルの仕事のお話です。

 

目一杯レベルで自分のカラダや脳にインプットしたこと、
血の最後の一滴までも絞り出すかのように勝負をかけてアウトプットしたことは、
自分の無意識レベルの記憶の中にずっと残り続け、
ことあるごとに、顔を出し、日々の仕事を助けてくれます。

 

本人はそれほどの負荷を感じずに仕事をしているのに、
周囲の評価が高い人というのは、
ここぞと言うときに、徹底的にインプット&アウトプットをしてきた人なのです。

 

しかしです。

どんな素晴らしい書面も、コピーを続ければ必ず劣化していきます。
ミスコピーも出てきます。

そうした、「オーラのぼやけた過去の記憶」にいつまでもしがみついたまま、
何年も何年も、手癖で仕事をこなし続けていたら、
そのエネルギーや精度が落ちていくのは当たり前なのです。

 

自分のパワーが落ちたとき、精度が落ちたときに、
多くの人がしてしまいがちなミスは、外的要因のせいにしてしまうこと。

 

「年だから・・・」
「お金がないから・・・」
「忙しいから・・・」

 

この言葉が出た瞬間に、ゲームオーバー。
ちーん、です。

 

そんな風に言いたくなった時こそ、
胸に手をあてて、考えてみましょう。

一番最近、
「目一杯のインプット&勝負をかけてのアウトプット」をしたのはいつか?

劣化コピーに頼って、日々の仕事の精度を下げていないか?

自 分の脳に蓄積された、ぼやけた過去の記憶は、
あと何年自分を助けてくれるだろうか?
 

苦労して積み上げてきたキャリアだからこそ、
定期的にメインテナンスしたり、アップデートしたりして、
その価値をさらに高めていく。

 

そうした気概のある人たちだけが、
時を超えてなお、生き残って行かれる人たちなのです。

 

44737805_s

 - 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

「ハモらない」時の覚え書き

人とコーラスをやっていると、 「あ、気持ちいい!」と思えるときと、 「う〜〜、ハ …

「とにかくやる」

「やりたくないときほど練習をすると、やってよかったと思えるわよ」   …

自意識の暴走を屈服させる

ボーカリストも、ミュージシャンも、役者も、ダンサーも、 おそらくはパフォーマーと …

ことばに「自分の匂い」をしみつける

ことばには、話す人の匂いがあります。 同じことを言うのにも、ことばの選び方や言い …

「わ。ピッチ悪い」をどうするか。

初めて「ピッチが悪い」と言われたのは、 歌の学校に通いはじめて、しばらくしてから …

ヴォーカリストこそ楽器を練習して「演奏の当たり前」を知る。

楽器をうまくプレイできるからといって、 歌もうまく歌えるかというと、もちろん、そ …

「歌の表現力」ってなんだ?

表現力と言うことばを聞いたことがあるでしょうか?   「彼はテクニック …

「どうやったらできるか」じゃなくて、「どうやったらなれるか」。

「どうやったらできるか」が知りたいのは、 真面目に学ぶ気のある人のお話です。 た …

「マスターベーション」とか言うな!

歌は音程のついたことば。 テクニックがどんなにすぐれていても、どんなに巧みな音楽 …

頑固な、間違ったプログラムを解除して、「声」を解放する

カラダの構造や、発声のメカニズムを教えて、左脳からアプローチしても、 カラダに触 …