大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

いい加減、「ピッチが悪い」をどうにかしません?

   

「ピッチが悪い」というと、専門的に聞こえますが、
実は、ごく一般の人でも、無意識に、歌い手のピッチの善し悪しを聞き取っています。

 

それが、

「へたくそ」

「なんか、ぱっとしない」

「暗い」

などの抽象的なことばで表現されるものです。

 

こうした、本能的に感じることを口にする、実は一般の人たちの意見が一番コワい。

専門家はそれなりに、
「声はいいけど、ピッチが悪い。」
「表現力はないけど、熱意は伝わってくる・・・」
などと、いい面と悪い面のバランスを取って聞くものですが、

 

たとえば、うちの80才を越えようという母などは、「面白くない歌ね」と一刀両断です。
そして、たいがいが的を得ている。

 

ピッチというのは、
例えば楽器やオケなどのチューニングに対してあわせるもので、
つまり、基準が明白にあります。

この基準に対して、上に乗っかる歌の、音の波形が、
気持ちいい関係性を保てるかどうか。

簡単に言ってしまえば、これが、ピッチがいい、悪いの基準になります。

 

そして、この、気持ちいい、悪いは、
多くの人が、本能的に感じられるものなのです。

 

エレキギターのチューニングをしたことのある方ならわかると思うのですが、

2本の弦で同じ音を弾いてチューニングをあわせるとき、
チューニングがずれていると、ぽーん、ぽーんと弾いた2つの音が、
よよよよよよよよ〜〜ん、と震えるように響きます。

 

これが、2つの音がぶれている時に、起こること。

そうして、少しずつチューニングをあわせていくと、
やがて、
よよよよよよよ〜ん、が よよよ〜〜よ〜よ〜よ〜よ〜〜〜〜〜〜〜〜、と
1つの音に聞こえるようになったとき、チューニングがあうわけです。

 

このよよよよよよよ〜〜んは、誰でも感じます。
それが耳というものだからです。

 

たくさんの楽器が同時に鳴っている中で、
さまざまな音程、さまざまな音を、さまざまな音色で歌われるわけですから、
そう簡単に、「よよよよよよ〜〜ん」は認識できませんが、

無意識のうちに、こうしたピッチのズレを拾って、

「気持ち悪い」「へたくそ」と感じるわけです。

 

日本人は、しかし、こうしたハーモニー意識みたいなものが、
世界的に見て、まだまだ弱い。

だから、日本にはプロと言われる人たちにも、
ピッチのよくない人は、まだまだたくさんいます。

とはいえ、よほどルックスがいい、いい曲や歌詞を書くシンガーでも、
ピッチの悪いシンガーは、なかなかメジャーな現場に出て行かれないもの。

 

真剣に取り組まなくてはいけない課題のひとつです。
あぁ、口が酸っぱい。。。

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明日12時ころ発行予定のメルマガno.123では、これまでピッチに関してアップしてきた記事から、「ピッチをよくするためのトレーニング」のまとめを抜粋してお送りします。バックナンバーも読めますので、よろしければ是非下記から登録してくださいね。
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