大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「うまくいかないとき」のことを一生覚えていよう

   

ときどき、うまく行かなかったときのことを数え上げてみたりします。

 

オーディションに落ちとき。

仲間だと信じていた人たちに、影で悪口言われていたとき。

突然、バンドをクビになったとき。

知らないうちに、仕事をはずされていたとき。

面と向かって「不細工」呼ばわりされたとき。

レコーディングで、「つかいものにならない」と言われたとき。

やんわりプロは無理だと、就職を進められたとき。

外国で、売り飛ばされそうになったとき。

不法入国者扱いをされて、荷物のすべてをひっくり返されたとき。

いろんな目にあって、なんて男運が悪いんだろうと落ち込んだとき。

お金がなくて、数十セントの食べるものにさえ苦労したとき…etc.etc….

 

いやいや、もちろん、苦しかったことを反芻して、
自己憐憫に酔いしれるためではありません。

反対に、なんで、あれしきのことで、
あんな風に、天地がひっくり返ったくらい苦しかったんだろう、

なんて、私は弱虫で、自信がなくて、イケてない女だったんだろうと、
不思議に思ったり、面白がったりしてしまうくらいです。

そんな自分だから、おそらく、
傍から見れば小さなことでも、何かに悩んでいる人を見ると、
さぞつらかろうと、いても立ってもいられない気持ちになったりするのでしょう。

 

 

出来事の大きさ、重さはとてもプライベートな感覚なので、
比較することは意味がありません。

どんなに話を聞いてあげても、どんなに想像力を働かせても、
そして、どれほど経験豊富で、世の中の酸いも甘いもかみ分けているような人でも、

他人に起きた出来事を、その人の気持ちで追体験することは、
絶対の絶対に不可能です。

 

だから、わかったような顔をして、諭したり、教育したりするのも、
必要以上に、相手に同情するのも、
頼まれてもいないことで、自分からぐいぐい相手の中に踏み込んでいくのも、
私にとってはやっぱり違う。

 

ただ、そばに立って、
その人が振り返った時にそこにいて、
手をのばして来た時にその手を取って、
意見を求められたときに、心から意見を述べて・・・

そして、求められていないと感じたら、すっとその場を立ち去って・・・

 

若かりし頃、私の周りには、そんな素敵な、カッコいいおとながいっぱいいました。

私は、そんなおとなたち、友達に、
本当に、本当に助けられ、育てられ、後押しされてきました。

 

 

Pay forward.

 

あの頃お世話になった人たちに、
私は恩返しをするすべはありません。

 

だから、次の世代に。その次の世代に。
私は、その心を送りたいといつも考えているのです。

まだまだ、恩返しはこれからです。

 

「すべてのBad times(うまくいかなかったとき)に感謝します。」
とはGladys Knightのことば。

 

「うまくいかないとき」が人を育てる。
人の人生に大きな影響を残す。

 

「うまくいかないとき」自分のそばに立っていてくれた人のことを、
一生忘れない自分でいたいと思います。

 

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 - Life

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