大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

声は、一生かけて育てるもの

   

「自分、声が太くなったんちゃう?」

「なんか、倍音増えたなぁ・・・」

先日、京都にライブに行ったとき、
久しぶりにご一緒した2人のギターリスト、
西野やすしさんと、是方博邦さんに、口々に、
そう言っていただき、ワクワク有頂天になりました。

 

自分でも、薄々感づいていたのですが、
どうやら声帯に、いい感じの経年変化が起きている。

まぁ、よく言えば、ヴィンテージ化しているようなのです。

 

実は、若い頃、自分の声があまり好きではありませんでした。
なんかちょっと、鋭角的過ぎて、倍音が少ない。

その鋭角的な感じでお仕事をたくさんさせていただいたので、
文句を言っちゃいけないんですが、
それでも、もっと、倍音のある、太い声になりたいと、
ずぅ〜〜っと思っていたものでした。

 

しかしです。

なんか、いい感じで声帯様や声道周辺がお年を召して、
おそらくは、何かしら、かつてなかった共鳴が生まれたようで。

自分で歌っていても、なんか、
あぁ、こういう声になりたかったんだったな、と思える声。

もちろん、中には、
「なんか、声が汚くなった」「濁った」と感じる人もいるでしょうけど、
私はいたってハッピーです。

 

ここで誤解のないように言えば、
けして、声帯様の状態が悪いわけではなく、むしろ反対。

 

実際に、ここ数年で、地声音域が上に、また1音伸びました。

昨日歌っていてびっくりしたのですが、
下の音域も1音伸びていました。
 

これも、ここ数年、来る日も来る日も、声のことをオタッキーに考え、
毎日、ありとあらゆる声の生徒たちと、発声をし、
ありとあらゆるジャンルの曲を、一緒に歌ってきたからでしょうか。
 
10年前だったら苦手と感じた曲も、
自然にすぅっと歌えるようになりました。

 

 

別に自分の声の自慢をしたいわけではありません。

 

今日、私がお伝えしたいのは、
「声は、一生かけて育てるもの」ということ。
人間のカラダは変化します。
 
どれだけ鍛えていても、
どれだけ節制していても、
 
声だって、やはり変化します。
 
高い声が出なくなる人も、
ざらざらとした音が乗るようになる人も、
全体がどんどん低音になる人も、いるでしょう。
 
声が細くなったと感じる人もいるかもしれません。

 

 

でもね。
忘れないでください。

 

この世の中に、「いい声」も「悪い声」もない。

ただ「声」があるだけ。

そして、どんな声も自分の声。

その「声」を、どうとらえて、どう付き合っていくか、

そこからどんな感情を取り出すか。

すべて自分次第です。
今ある自分の声を愛すること。

それが一番大切なことなんですよね。

10001686 - the portrait of beautiful blondie with microphone on blue background

 - 声のはなし, 未分類

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