大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

自分の「スタイル」を持つ

   

昔のミュージシャンは、ひとつのバンド、1枚のレコードを、
それはそれはこだわり抜いて、徹底的に研究したものだ。。。

そんな風に言われます。

 

対する今の若者たちは、客観的に見ても、やはり、1曲1曲、
または、特定のアーティストに対する執着が薄いという感は、否めません。

 

その理由として、よく上げられるのが、現代の「情報量の多さ」です。

なんでも気楽に手に入りすぎて、
ひとつひとつのありがたみが薄くなっているというのです。
今日は
「そんなこと言われても、物心ついたときから情報はあふれてるんで、
よくわからないっす・・・」
という若者たちのために、
音楽の情報を洋服に例えてお伝えしてみましょう。

 

服を全部で2〜3着しか持っていなければ、
上手にローテーションを組んで、
日々大切に着回すしかありません。

さまざまなコーディネートを工夫するでしょうし、
大事にお手入れもするでしょう。

毎日毎日同じ服と付き合っていれば、
それらの服の細部に至るまで、
よく知ることにもなるでしょう。

 

しかし、現代は、
いわば、自分の部屋のクローゼットに、
デパート丸ごと1棟分の洋服が入っているような状態です。

あれもこれも、とっかえひっかえ、
好きなだけ試せるのは素晴らしいことですが、

あまりに量がありすぎて、
最早、今日何を着るか、昨日何を着たか、
わからなくなっている。

自分なりにこだわっているつもりでも、
1着1着に対する思い入れを深めることは容易ではありません。

 

さて。

 

今さら、空っぽのクローゼット時代に戻ることはできません。

 

今の時代には今の時代にしかないよさがある。

そこを踏まえた上で、

あふれるほどある情報の中に、
自分なりのこだわりを見出し、
理解や愛着を育てていくには、では、どうしたらいいでしょう。

 

 

それは、「自分のスタイルを持つこと」。

次々と市場に出てくる洋服のすべてを試着して歩いていたら、
時間はいくらあっても足りません。
 

自分らしいものを選び取る、
そこにこだわりを持っていくことで、
自分らしさが磨かれるのです。

 

 

たとえば、お気に入りのブランドを絞り込む。

毎回必ずチェックするブランドをいくつか持つことで、
特定のブランドの特徴を知ることもできます。

何度か店を訪れるうちに、
どんどんはまるブランドもあるでしょう。

 

 

たとえば、自分のテーマカラーを決める。

黒なら黒の服しか自分の目に飛び込んでこなくなる状況をつくれば、
それだけ、自分らしい情報をキャッチしやすくなります。

 

 

たとえば、自分の定番を持つこと。

一定の期間でいいのですが、
毎日、これだけは身につけるというアイテムを持つことで、
愛着も深まりますし、もの選びに慎重になるものです。

 

音楽に話をもどせば、
お気に入りのバンド、お気に入りのアルバムを持ったら、
そのアルバムをとにかく、一日1回、1ヶ月聞こう、
というような、自分のルールをつくってみる。

当然1枚を選ぶのに慎重になります。

毎日毎日、飽きずに聞けるアルバムを探すでしょう。

飽きるほど聞けば、
そのアルバムの細部を知ることにもなるでしょう。

 

いかがでしょうか?

こだわりを持つということはスタイルをもつということ。

失敗を恐れず、自分のスタイルをつくってみませんか?

13536284 - dry t-shirt

 - Life, 音楽

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

感性は「お茶の間」で目覚める

「MISUMI、よく聞いとけよ。歌ってのはこうやって歌うもんだ。 テレビで流れて …

毎日が勝負パンツ!?

「勝負パンツ」というインパクトのあることばがあります。 もちろん、言わず知れた、 …

未来人たちよ。「リアル」に触れよ。

自分が高校生、大学生だった時代を振り返ると、 あぁ、ずいぶん未来までやってきちゃ …

「音楽はひとりではできない」の本当の意味

サポート・コーラスのお仕事で日本全国をツアーしていた頃。 ツアー先の地方の会館に …

no image
「情報」は量より質!

私はボイトレや声、カラダに関する本など、 気になるものを定期的にどかっと大人買い …

前進し続ける人に共通のキーワード

「もう」は「まだ」なり。「まだ」は「もう」なり。 私の文章によく登場するので、最 …

いつでもどこでも、歌あればこの世は楽し。

欧米人の友達に、「あなたは歌ったりしないの?」と訊ねると、 よく返って来ることば …

「バンドとやる」の本当の意味

大学の授業に「アンサンブル・レッスン」というのがあります。 なんだかカチッとした …

世界はあきれるほど狭い

むか〜し、 と書きたくなるくらい、遠い昔のこと。 カナダでデビューしないかと持ち …

歌うときのオケ、どうしてます?

さて、ある程度練習が進んだら、 オケに乗せて、自分の歌を録音してみたいもの。 & …