大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「ヴォーカリストはまず姿勢!」の本当の意味

   

「MISUMI先生は、姿勢、姿勢っておっしゃるんですけど、
姿勢をよくする意味って・・・一体何なんでしょう?」

今日もMTL12第3期生から、とてもいい質問をいただいたので、
こちらでお答えします。

 

ヴォーカリストはアスリートです。

歌うカラダの動きはスポーツ。
ヴォーカリストが姿勢を整えることの意味は、
アスリートが姿勢を整えることの意味と同じです。

 

カラダの構造的に、最もエネルギー効率がよい、
可動域が広い、
ポテンシャルを最大限に引き出しやすい、
フォームをつくるのが目的なのです。

 

もちろん、どんなスポーツ選手にも、
その人なりのフォームがありますから、
正解はひとつではありません。

しかし、猫背にして、腰を曲げて、
首を前に出して、胸を狭くして、
・・・というフォームを推奨しているスポーツはひとつもありません。

 

理由として、

カラダの一部に緊張をつくることで、
血液や力の伝達効率が悪くなる。
呼吸力が落ちる。
カラダの可動域が狭まる。

・・・などなどがあるでしょう。

 

ヴォーカリストにとって最初に目差したい理想のフォームは、

アスリートが「動き」にうつるための準備をしている時のフォーム。

つまり、軸にバランスをゆだね、
アウターマッスルをすべてリラックスさせ、
次の動作に向けて、集中し、呼吸を整えている時の状態。

 

リラックスしているからこそ、
次の瞬間に、的確な判断ができ、
的確なスピードで、的確な動作ができる。

次にやってくる刺激、
例えば、音や球やライバルの攻撃などに対して、
カラダをオープンにしておくことで、
次の瞬間の動作に100パーセントの力を生かせるのです。

 

ヴォーカリストは、
音やバンドの演奏、自分の感情、表現したいこと、
オーディエンスの反応などに対して、
自分自身をオープンにしておく必要があります。
それこそが、
パフォーマンス効率を最大限に引き上げてくれるのです。

 

カラダの動きに制限があれば、
当然、人は思うような表現はできません。

もっと音量を上げたいのに。
もっと高い声を出したいのに。
もっと速いフレーズを歌いたいのに。。。

カラダの制約は表現の制約でもあります。

 

姿勢が悪いことでカラダのあちこちにさまざまな緊張がおこります。
硬くなった筋肉は、いい振動を起こせません。
つまりいい感じで声が鳴らないのです。
姿勢が悪ければ、当然、呼吸にも制限が生まれます。

楽に、気持ちよく呼吸をすることで、
「呼吸をしなくちゃ」という意識から解放されることが、
ヴォイトレで呼吸を徹底的に学ぶ理由です。

 

姿勢を整えるのも、
呼吸を整えるのも、
カラダをリラックスさせるのも、

カラダの制約による余計な雑念に捕らわれず、
最高のパフォーマンスをするため。
さらには、余計なケガや故障からカラダを守るため。
持久力をつけるため。

そして、ヴォーカリストとしてのカラダの寿命を延ばすためです。

 

はい。

こんなところで、おわかりいただけたでしょうかしらん?(^^)

30025764 - man with impaired posture position defect scoliosis and ideal bearing

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 - カラダとノドのお話

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