大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

バンド軟派、する?

   

「ねぇ、彼女ぉ〜、お茶しなぁ〜い??」

と、街中で女の子に声をかけることを
「ナンパする」といいますが、
(今も、言いますよね・・・?)

 

「ねぇ、彼女ぉ〜、一緒にバンドやんな〜い?」
と誘うことを、「バンド軟派する」と言っています。

 

「よくナンパされる」という子が、
やっぱり、目立つ子だったり、女の子らしかったり、
美人だったりするように、

 

「よくバンド軟派される」というプレイヤーには、
やっぱり、共通点があるようです。

 

今日は、ゆるゆる、あるあるネタとして、

バンド軟派されやすいタイプと、
そうでもないタイプについて、
思いつくまま、ランダムにお届けいたします。

 

まず、パートで言うと、
ギターリストは最も、バンド軟派の対象になりにくいもの。

なんと言っても、その人口の多さもありますが、
バンドのカラーを決めてしまうという存在感の大きさもあります。

ギターリストが、
誰かをバンド軟派するというのは、よく見かけますが、
 
よほどのテクニシャンで、
しかも、それほど個性の強くないタイプであるか、
誰かと運命的な出会いをするのかでもない限り、
なかなかその反対はないようです。

 

反対によくバンド軟派されているのはドラマー。

人口の少なさと、
そして、アイデンティティが前に出にくいパートだからでしょうか?

 

バンド軟派でモテる人は、まず基本、

○テクニックがある
○対応力がある
○性格がいい

の3つは確実に押さえています。

さらに、

○プレイに人を惹き付ける魅力がある
○グルーヴがいい
○ルックスがいい

などが加わると、だんだんとモテモテの域に入ります。

「プレイの魅力」と言えば、
音色、表現力、ダイナミックさ、パフォーマンスなどなど。
 
特に、ヴォーカリストはバンドの顔ですから、
 
単にいい声というのでなく、
声に魅力や説得力がある、
聞く人の気持ちを揺さぶるパフォーマンスができる、
・・・などの要素があるほど、
バンド軟派の対象になるようです。

 

さて。

バンド軟派されない人は、その理由もさまざまです。
 
バンド軟派されにくい理由は、
けしてネガティブなことばかりではありません。
 
○個性が強い
○目的意識がはっきりしている
○飛び抜けて目立つ
 
ヴォーカリストは例外ですが、基本的に、
人は、自分より目立つ人をバンドに誘いたくないものです。
 
自分をしっかり持っていて、
ぶつかるのが目に見えている人や、
 
バンドなんかに誘ったら、
一蹴されてしまいそうな空気感を出している人は、
やっぱり誘われません。
 
そんな人は、自分が「バンド軟派」して、
自分のプロジェクトを立ち上げるしかないですね。

 

もちろん、ネガティブな理由としては、
 
○単純にテクニックがない
○飛び抜けた魅力がない
○アクが強すぎる
○性格がイマイチ
○ルックスがイマイチ
・・・etc.などもありますが、
 

そういうことにフォーカスし過ぎて、
自信が持てず、一生バンドができないなんて、
もったいないことです。

 

バンドに誘われたいのに、
なんか、誘われないなぁと思ったら、
まず、自分からバンド軟派をする!

 

バンド軟派を繰り返し、
いっぱいバンドやライブを経験するうちに、
イマイチだった自分もどんどん磨かれてゆくものですよ。

 

コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』購読はこちらから。

 

 - バンド!

  関連記事

音楽家として生き抜く力

「野良猫を拾って一番困るのは、その猫が子どもを生むことだ。」 ハインラインの小説 …

ROCK、来てます?

昨日の朝のこと、 切らしてしまったオーツミルクを買いに近くのスーパーに行くと、 …

バンド仲間という特殊な人間関係。

バンド仲間というのは実に特殊な人間関係です。 ステージに立ってパフォーマンスをす …

ロックは、そこ、外しちゃダメなんです!

ジャズ系の人が、スタンダードやカバー曲を演奏しているのを聞いていると、 元のコー …

「一緒にバンドやってくれませんか?」

「自分、なんでバンドやらんの? ワシ、自分の歌、ごっつええ、思うで」 人生を変え …

「バンド、やりたいんですけど・・・」

「バンドやりたいんですけど・・・」 学生から、そんな相談を、よく受けました。 え …

I wish you were here

海外に住んでいた頃、 「またね」と抱きしめ合って別れを交わしながらも、 あぁ、き …

バンド世代 vs. カラオケ世代

こどもの頃から楽器を練習している人でも、 自分の楽器以外のことはわからないという …

ロックは毛穴で聴くんである。

誤解なきように言っておくと、 私自身はそれほどラウドな音楽が 好きだというわけで …

人生で大事なことは、みんなバンドから教わった

バンドって、うまく行ってるときは、 「これほど素敵なものはない!」と思えるくらい …