大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

『ハードスケジュールなときこそ確認したい声のためにできること』

   

月末から鹿児島でした。

4泊5日の日程で、
ワークショップ、リハーサル5時間、ボイトレLive、Live本番2本、
そして、プライベート・レッスン3本と、
気づけばぎっちり詰め込んでしまい、
体力と声、そして集中力が心配だったのですが、

おかげさまで最後まで、気持ちよく歌う事ができ、
実にほっとしました。

 

そこで今日は、
『ハードスケジュールなときこそ確認したい声のためにできること』

 

まず、絶対に大事なのは睡眠です。
これに勝る クスリはありません。

どんなにハードな時でも、
なにがなんでも睡眠時間を確保すること。

とはいえ、疲れが高じてくると、だんだんと睡眠が浅くなります。
眠りたくても眠れないほど苦しいことはありませんね。

そんなときは、思い切って、
軽い睡眠誘導剤を飲んだり、
鍼灸治療を受けたりするのがお勧めです。

今回最後まで元気に乗り越えられた理由のひとつに、
鍼灸師でもあるVSOPプロデューサーの三浦さんに、
ライブの合間に鍼を打ってもらったことがあると考えています。

おかげで肝心のライブ本番の前夜、ぐっすり眠ることができました。

どんなところでも熟睡できる法則をもつことも大切ですね。

 

そして、保湿

乾燥している場所に長時間いるとき、
移動中に眠るとき、
そして、ノドが不調なときなどは、マスクは不可欠ですが、

日常的に大切なのはマスクよりも、
水分量をキープできるコンディションを保つことです。

日常的にこまめな水分補給、
それもなるべくミネラル分をしっかり取れる水を飲むことは必要不可欠。

たくさん飲めばいいというものではありません。
適度な量が基本です。

利尿作用の高い飲み物、
カフェインの入っているお茶やアルコールなどは、
量に気をつけることも大切です。

 

 

タバコの煙を徹底的に避ける

ヴォーカリストなのに、タバコを吸っているという人は、
そろそろ真剣にタバコのリスクを考える必要があります。

実は私も20代半ばくらいから10数年間、タバコを吸っていました。

1日にせいぜい4〜5本。
お酒の席になると調子に乗って、プラス4〜5本。
1日10本も吸ってしまうと、翌日は頭ががんがんして、
気持ち悪くて丸一日使い物にならないくらい、
タバコはカラダに合いませんでした。

そんなわけで、
吸ってはやめ、やめてはまた吸いの、へたれスモーカーだったからか、
なおさら、タバコによる体調の変化に気づきました。
コンスタントに吸っていた時期は、
1日数本程度の喫煙量だったにも関わらず、
毎朝、声帯様のまわりに痰のようなものを感じ、
えへん、えへんとやっていました。

ライブ中に、ステージで息が上がるのを感じていたのも、その頃です。
妙にノドが乾いて、ライブ中の水分摂取量も増えました。

そうした症状は、
タバコをやめてからぴたりとなくなりました。

 

自分が吸わないという場合、
最も気をつけなくてはいけないのが受動喫煙です。

一度でもスモーカー経験があると、
あまり大きな声でいうのは気が引けますが・・・

他人のタバコの煙ほどノドに来るものはありません。

換気の悪いお店での、喫煙者の多い飲み会で、
何度ノドを腫らしたか。

若い頃はカラダの快復力も優れていますし、
粘膜もある程度丈夫なものですが、
ある程度の年齢を越えたら、本気で避けなければ命取りです。

 

もうひとつ、くれぐれも気をつけるべきなのがお酒の席

ハードスケジュールで、最も声を酷使するのは、
お酒の席での会話です。

お酒を飲む場所は、騒々しい。
妙に音響がライブで、
大きな声を出さないと会話が成立しないようなお店が多い。

さらに、聞きたくもないBGMが大音量でかかっていたりしたら最悪です。

アルコールがカラダに入ると、声帯様は充血します。
軽い脱水症状を起こすこともあります。

そんな状態で、
大声でおしゃべりしたり、大笑いしたり・・・

とにもかくにも、これが一番ノドに悪いのです。

私自身、打ち上げや飲み会は大好きですから、
参加するなという気はありません。

ただ、翌日、ノドが腫れて、
声が出づらくなって、辛い思いをするのは自分自身。

常に適度なブレーキをかけることが大切です。

 

そして最後。日常の食生活に配慮すること

人間のカラダは食べたものでできています。

栄養価の低い食生活や、
タンパク質、ビタミン不足では、
カラダは絶対にいいパフォーマンスをしてくれません。

塩分が強い食事は、ノドをむくませます。
お肌の調子が悪ければ、ノドの調子だって悪いのです。
お肌がカサカサしていれば、ノドだってカサカサしているのです。

また、日常的にアルコール摂取量が多いと、
アルコールの消化に内臓がフル活動することになるため、
お肌や粘膜にいい影響はありません。

 

いかがでしょう?

全部が全部キープできることではありませんが、
ちょっと心がけるだけで、声のコンディションはぐっとよくなり、
仕事の精度もあがります。

 

胸に手を当てて、是非、明日から実行してみてくださいね。

 

【MTL Online Lesson12】11月生受付は11月5日まで。
◆コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』。購読はこちらから。

 - カラダとノドのお話

  関連記事

「ライブ直前って、何します?」

「ライブの前って何食べますか?」 「お酒飲みますか?」 「やっぱり結構声って出し …

緊張に打ち克つ。

多くの人に相談される悩みのひとつに、 「人前に出ると緊張してしまって、声が出なく …

体調管理も仕事のうち!

「体調管理も仕事のうち」 ボーカリストやパフォーマーでなくても、仕事を持っている …

基本の「き」

なんか、フェイクがばしっと決まらない。 どうも、歌詞がカミカミになる。 いやはや …

いつもベストな状態でパフォーマンスしたいなら

声の調子が悪いというと、のど飴をなめる。 目の調子が悪いといえば、目薬をつける。 …

「真っ直ぐ立つ」が大切なんです。

「真っ直ぐ立つ。」 意外に難しいと感じる人が多いようです。 スタンディングのライ …

センサー、壊れちゃったんですね。

先ほど、今日発行するメルマガを書き終えました。 今日のメルマガは、 『自分のカラ …

「お腹は凹ますのか?突き出すのか?」問題について語ってみた

「歌うときは、おへその下10~15㎝下を少~しずつ凹ませましょう。 このとき、肋 …

声の変化の分岐点を探す

今日のA面ではダイエットの話を書きました。 自分のカラダの変化の分岐点を見つける …

no image
めんどくさいけど大事な「呼吸の話」

今日はちょっとマニアックに呼吸のお話をしましょう。 肺はあばら骨の中いっぱい、左 …