大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

声帯様、ごめんなさい。

   

“鉄のノド”、MISUMIです。

いや、”鉄のノド”、返上、MISUMIです。

 

鹿児島から帰ってから、
いつもなら一晩寝ればケロリと元気になるはずが、
どうもノドの調子が戻らず。

ライブ前のリハーサルではノド、ボロボロ。

結局、一番抜けて欲しいところがフラットするという、
情けない状態で先日のライブ本番を迎えることになりました。

言い訳無用の世界なので、
本来、こんなことを書くのは卑怯なのですが、
カラダのことで、今回はいろいろ学んだので、
ちょっとブログに残すことにいたします。

 

今回鹿児島は確かにハードスケジュールでした。

初日は3時間のセミナー、
2日目リハーサル5時間、
3日目はヴォイトレライブで45分ほどしゃべり倒し、
その後1時間ほどのライブパフォーマンス、
そして4日目、ライブ本番で1時間30分くらいシャウトしていたでしょうか。

こう書くと、どんだけ声を酷使しているんだ、という感じでしょうが、
実際に、正しく発声していれば、
これだけなら、声はもちろん疲れるけど、
1日寝れば回復するレベルです。

負荷を最もかけるのは、
以前も書きましたが、打ち上げでのおしゃべり。

今回は、3日までのおしゃべりもセーブし、
最終日の夜、「明日はもう歌わなくっていいんだ」となるまでは、
大きくはじけずに過ごしました。

これで、東京に帰って1日休めば回復する予定でした。

 

しかしです。

ここに、いくつかの複合的な要素が加わりました。

1.全身の倦怠感、血行不良、筋肉疲労
2.作品制作のプレッシャー
3.風邪の初期症状
4.気温差と乾燥
5.休日が取れない
6.お年
 
寝ても寝ても疲れが取れない時、
真っ先にするのは、整体に行くことです。
今回もなんとかリハの前に予約を入れて、
全身の張りをほぐしてもらったおかげで、
その夜からぐっすり眠ることができました。
 
しかし、リハでは、
筋肉がゆるんだこともあって声がボロボロ。

これは風邪!と直感し、
翌々日、内科を受診しました。

「たいしたことないから、本来なら漢方薬ですね」、
なんていう先生に、
「とにもかくにも、絶対にノドが治るクスリをください」
といえば、まぁ、出てくるのは抗生物質です。

炎症止め、抗生物質、胃のクスリ・・・
本来なら飲みたくないような強めのクスリをもらって、
がっつり飲みました。

クスリに関しては、いろいろなご意見もあると思いますが、
私はこの方法で、これまで、舞台に穴を開けずに来ているので、
仕方ありません。

 

これでゆっくり休んでいられれば、もちろん回復したのでしょうが、
スケジュールはそうはいきません。

音大の授業、MTL12、そしてタレントさんたちの歌唱指導・・・
毎日のように、気をつけながらも、仕方なく、
声をつかっていました。

スケジューリングの甘さが出ました。
いつものことですが、
ちょっと自分の体力とノドを過信しているようなところがあります。
 

そうして迎えたライブ当日は、
前述のように、7割方は回復していたものの、
パキンと鳴らしたい高音が出なかったり、
中音域の滑らかさがなかったりと、
ちょっと悔しい結果に終わりました。
 

さて、体調不良はここで終わりませんでした。

ライブ直後、頭痛と吐き気に襲われ、
そのまま丸2日半、思いきり寝込むことになります。

途中、いくつかお仕事もありました。
お仕事中はアドレナリンで元気なのですが、
前後は倒れそうなほどぐったりという状態でした。

 

そう。最近、疲れと緊張が高じると、
頭痛、吐き気、低体温、という状態に陥ります。

これには、「年だ」説、運動不足説、偏頭痛説、
いろいろあるのですが、
まぁ、ものすごく寝るとケロリと治るので、
疲れと過緊張ということで、落ち着いています。
(もちろん、お医者さんにも話してますからご安心ください。)
 

それで、そんなに寝たんだから、
ノドもさぞかし完璧に治っただろうと思ったら、
今朝のレッスン中、まだ、完璧じゃないことに気づき・・・。

いろいろ声を出してみるに、

結節やポリープなんかじゃない!
きっと風邪の炎症が残ってるんだ!
だから大丈夫!

と自分に言い聞かせるも、

「病院行くの、怖いんじゃないの〜?自分?」
という心の声がして、

正直、怖かったけど、先ほど、耳鼻咽喉科を受診。

ひっさびさに自分の声帯様を拝んでまいりました。

 

私の声帯様、あんなに酷使されたのに、
あんなに辛い目に遭わされたのに、
しかも休ませてももらえなかったのに、
ちゃんと元気に、ご機嫌になさってました。

ただ、ちょっとはれぼったく、むくみんだようになっていて、
それが酷使しているから炎症が残っているのだろう、
というお話でした。

一安心です。
しばらく歌うお仕事もないし、
ノドに優しく生活していれば、きっと回復してくださるはず。

 

これを教訓に、

○スケジューリングは、もっと慎重にやること。

○とにかく休日を、完璧な休日を取ること。

○ライブが終わったからといって、調子に乗って、
疲れたノドでおしゃべりしないこと。

○不調と思ったら、1日も早くお医者さんに行くこと。

○日頃から、もっと体力レベルを上げておくこと。

○声帯様をもっともっと大事にすること。

 

 

そうして、明日からしばらく、
蚊の鳴くような声で生きていくと誓ったのでした。

(Good Luck…)

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 - カラダとノドのお話, 声のはなし

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