大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

なんだってやってやる!?

   

学生時代からさまざまな現場で引っぱりだこになったり、
早々にデビューして周囲にちやほやされたりという、
いわゆる天才系はともかく、

そこそこの才能、そこそこのルックス、
そこそこのコネクションしかない人間が、
プロの世界に入り込もう、
そこで食べていけるようになろうと考えるなら、
「なんだってやってやる。」という気概が必要です。

若者にそんな話をすると、
「もちろん、そのつもりです!」と、
目をきらきらさせて答えるのが常です。

話を聞いた瞬間に感じる高揚感、
自分の中からわき起こるエネルギーから、
そんな答えが出てくるのでしょうが、

実際に「なんだってやる子」は、
ほんの一握りしかいません。

 

レッスンルームを出た瞬間に、
話をしたときの高揚感はあっという間に薄れてしまいます。

お腹空いた。
お昼、何食べよう?
あ、あの子、今、どこにいるかな?
実家からライン入ってる!
バイトのシフト入れなくちゃいけないんだった・・・

そんなことが一挙に頭に押し寄せてきて、
高揚感を押し流してしまうのです。

押し寄せる日々の雑事を押し戻して、
高揚感に身をまかせて、計画を立てる子だって、
もちろんいます。

ところが、そんなやる気を見せる子の7割以上が、
「計画」と「行動」の間に横たわる、
大きな川を越えられずに、河辺で挫折してしまう。

たとえば・・・

「100曲書こうっ!」と決める。

楽器うまくないから、誰かに頼まなくちゃダメ?
コード知らないからなぁ。
譜面、書けないし。
録音機材、どうしよう?
PCソフトって何がいいのかな?
機材やソフト、どうやってつかうのかな?
歌詞書けないからなぁ。
家じゃ声出せないし・・・

 

「現実」には、高揚感はありません。
そこには、面々と「作業」が横たわるだけです。

こうして、興奮は一気に冷めていきます。

 

しかし、本当に「なんだってやる子」は全然違います。

やるべきことが多いほど燃える。
できないことが多いほど、よっしゃと気合いが入る。

そして、やるべきことリストをだぁ〜っとつくって、
次から次へとチェックマークを入れて行くことに、
高揚感を感じる。

この域にいる子は、時間がかかることを恐れません。
それよりも、考えてばかりで立ち止まって、
時間を無駄にすることを恐れる。

だから行動するのです。

 

漠然と「コードがわからない」で済ますのではなく、

そもそもコードってなんだ?
いくつ覚えなくちゃいけないんだ?
誰に教わればいいんだ?
自分で勉強出来ないのか?

というレベルまで掘り下げていくと、
大きいと思っていた問題が、
実はびっくりするくらいシンプルだったと気づくことさえあります。

 

「機材がない」なら「買おう!」となる。

このとき、はじめから「お金」がブレーキになるような人は、
そもそも向いていません。

自分にとって必要な機能はなにか?
どんな機材が必要か?
周辺機器は?
誰に聞けば教えてくれる?
どこに行けば買える?
それっていくらくらいする?
扱い方はどうやったら学べる?

インターネットもなんにもない時期に、
そんなことを自力で調べ上げ、
協力してくれる人を探し、
バイトして買ったり、人からもらったりしながら、
機材を1個1個買いそろえて、
マニュアル首っ引きで勉強して、
みんな、プロになりました。

ちょちょいのちょいでググれば答えが出る時代にいて、
行動よりも言い訳が先に立つなら、
そもそも向いていません。

感動した話を元に、行動に移せる子は3割。
そして、それを続けられる子は、そのまた3割。

そうやって、「やる気」という”ふるい”にかけられていくのですね。

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