大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「真っ直ぐ立つ」が大切なんです。

      2015/12/20

「真っ直ぐ立つ。」

意外に難しいと感じる人が多いようです。

スタンディングのライブハウスなどでも、LIVEを見ている間中、
とにかくグラグラと何度も重心を変える人をたくさん見かけます。

アーティストが見えないからというのではなく、
ただ、真っ直ぐ立っていられないという印象です。

レッスンでも同じ。

真っ直ぐ立つ姿勢を取り続けることが、苦痛らしく、
モジモジと、あっちこっちへ重心を変える。

真っ直ぐ立っていられない理由は、
姿勢が悪い、
カラダの軸が感じられていない、
筋力不足、など。

いい姿勢が保てないという時点で、カラダはかなり衰えているということになります。

いい姿勢のポイントは、耳、肩、腰骨の外側が一直線になること。

壁に踵、背中、お尻、そして後頭部をつけて立った状態が、「いい姿勢」とされます。
(ただし、背中の筋肉が極端に発達した男性などの場合は、
この限りではないようです)

11753057_s

頭の真ん中が天井に糸で吊されて、全身がリラックスしているような感じ。

さらには、カラダの前後左右上下のど真ん中、
具体的に言えば、おへその下10〜15㎝からカラダの内側10〜15㎝に入った場所、
丹田にカラダの中心、重心を感じること。

実は、この、重心の位置が最も大切です。

緊張してしまうと、重心はどんどん上に上がってゆき、
呼吸が浅くなります。
力点が、散漫になり、カラダが硬直します。

真っ直ぐ立つことで、全身のバランスが整い、
呼吸も安定します。
さらに、発声時の力の流れもつくりやすくなります。

これは歌に限ったことではありません。

姿勢を立てられないということは、「気が通らない」ということ、
という人もいます。

歌でも楽器でも、仕事でも勉強でも、
よいパフォーマンスと、姿勢、重心、呼吸はワンセットなのです。

 - カラダとノドのお話

  関連記事

高い声は、がんばらずに出す。~SInger’s Tips #17~

「高い声は、がんばらないと出ない」と、 思っている人がいます。 なぜそうなっちゃ …

声の変化と向き合う vol.1〜発声は運動、歌うことはスポーツです〜

「年のせいか、高い声が出なくなっちゃって。。。」 「私、最近声が枯れてきちゃった …

声が届かない3つの原因

先日、4年半ぶりに「話す」がテーマのワークショップ、 BizLabをスタートいた …

「フォームは乱れるもの」と心得る。~Singer’s Tips #1~

どんな名プレイヤーも、 長期間試合に出続けていると、 急に成績不振になったり、 …

飲み会で声が枯れる理由

昨日お仕事納め、そこから忘年会だったという方も、 たくさんいらっしゃるのではない …

自分をつかって「人体実験」をしないこと

1964年に行われた「断眠実験」というのを 聞いたことがあるでしょうか? &nb …

風邪の治りかけ。「ガラガラ声」の原因は?

今年の風邪はいやらしい、とは聞いていましたが、 いやいや。まじで。 いつまでも、 …

仮死状態の筋肉をたたき起こす

ボイトレというと「ストレッチをさせられる」というイメージがある人が、 多いのでは …

no image
めんどくさいけど大事な「呼吸の話」

今日はちょっとマニアックに呼吸のお話をしましょう。 肺はあばら骨の中いっぱい、左 …

「一部」は「全部」 

足の薬指を骨折したことがあります。 発熱まではいきませんでしたが、 一日中、なん …