大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

キャリアの節目をポジティブに旅する

      2015/12/20

「節目」というものをポジティブに捕らえるか、ネガティブに捕らえるかで、
人生のクオリティは大きく変わってきます。

たとえば学生時代。

誰もが夢あふれ、体力も気力も時間もふんだんにあって、
なんでもできそうな気持ちになる時期です。

実際、その時期の決断と行動、出会いが人生を決定づけたという人も、
たくさんいます。

やがて、その、「無限大の可能性」という、
若き日の幻想とのハネムーンにも終わりが訪れ、
現実の世界と向かい合う時期がやってきます。

たとえば結婚するとき。こどもができたとき。

独身時代は、学生時代の延長のまま夢を追いかけることもできます。
食うや食わずでも、お風呂のないアパートに住んでも、
毎日旅から旅のような、その日暮らしの生活をしていても、
誰にも迷惑をかけることはない。

そんな「自分」のために、すべてのエネルギーと時間を使える時代は、
「家族」という愛情の対象の出現と共に終わりを告げます。

たとえば、年齢的な限界を感じたとき。

「若くなければできないこと」というのは、実際に年齢を重ねてみないと気づけません。

ツアーに飛び回り、レコーディングでスタジオに通い、
制作をこなし、自分自身の活動にエネルギーを燃やし・・・
そんなバリバリのミュージシャンにも、節目は訪れます。

若くて、そこそこ腕もよくて、素直で、ギャラが安くて、ルックスもよくて、
なによりもフレッシュな新人を、業界は好むものです。

「自分は実力で仕事しているから、年齢なんか関係ない」というのは、希望的観測。

自分を使ってくれているスタッフが、やがて管理職になり、
新しいディレクターは、若手の、自分のブレインを使おうとし、
オーディエンスもどんどん自分より年下になり、
現場では若い感性が求められるようになり・・・

自分自身も重い機材を背負って、移動から移動を繰り替えすことや、
広いステージの上を走り回ることが辛くなってくる。
ハイヒールを履いて踊るのが難しくなったり、
自慢の長い髪の毛も、やがて、白くなったり、淋しくなったりするかもしれません。

そんな時代は当たり前のようにやってきます。

そんな「節目」に出会ったとき、
人は、キャリアを見つめ直す必要に迫られるのです。

さて、それはネガティブなことでしょうか?

キャリアをシフトすることは敗北ではありません。
新しいアドベンチャー。旅です。

「夢をあきらめる」「限界を感じる」
などという後ろ向きなアイディアは、この際、NGです。

それは、知らなかった自分との出会い。

たくさんの経験を踏んで、
たくさんの人と出会って、
少しだけ、もしくは、たくさんおとなになって、
今、見つける、今までと違う自分。

そんな自分と向き合って、新たな可能性を模索するときなのです。

知らなかった世界に目を向けて、
新たな出会いや発見をすることは、どきどき、ワクワク、興奮の連続です。
それは、100%ポジティブなことなんです。

必要なのは、「変化」と向き合う勇気。

そこから、新たな可能性の扉が開くんですよね。

25272966_s

 - Life

  関連記事

無限大に見える作業量を前に、ひるんだら負けだ!

洋楽のカバーを歌う、英語の苦手な学生たちに、 英語の発音指導をすることがあります …

「不完全なこともすべて、自分の完全性の一部。」

「不完全なこともすべて、自分の完全性の一部。」(2015/09/10 twitt …

文化は「オタク」と「変態」、そして「ドM」がつくる

忙しがる人は好きじゃないのですが、 最近、自分もそんな、自分が好きじゃない類の人 …

ワードを変えれば、自分が変わる

有名な心理学の実験で、 「スタンフォード監獄実験」というのがあります。 ごく普通 …

人生を変えてくれた、最善と最悪に感謝する

最近、自分の人生の棚卸し作業というのをしています。 長年生きているというのもあり …

世界はあきれるほど狭い

むか〜し、 と書きたくなるくらい、遠い昔のこと。 カナダでデビューしないかと持ち …

1行のことば

1行。 たった1行のことばが、 人にパワーを与え、 この世で最も幸福な人にする。 …

わかってないのは、そいつの方じゃないのか?

「自分のこと、めっちゃ美人だと勘違いしてる、ぶっさいくな女っているよね? &nb …

旅に出よう!

「外国語を知らない者は自分自身の言語について何も知らない。」 と言ったのは文豪ゲ …

「自分の感性をリセットする」

一昨日の『The ワークショップ Show』を振り返って、 今日は自分自身のこと …