歌がうまくなるための「4つの要素」──練習の精度を上げるヒント
歌がうまくなるには、4つの要素があります。
どれも同じくらい大切で、それぞれ特徴や取り組み方が違います。
この4つを一度整理しておくだけで、ぐっと練習の精度と効率が上がります。
1. コツさえつかめば、一瞬でできること
高い声を出す、響く声をつくる、声の音色を変える…などは、「声の物理」と「カラダ」を理解すれば一瞬でできます。
いや、「一瞬は」できます。
よく、スクールのキャッチに使われている「あなたの声を一瞬で変えます」というようなことは、コツさえつかめば、ひとりでも可能なのです。
ポイントは、
・高い声、響く声とはなにか
・自分のカラダはどのように呼吸を「声」にしているのか
・「音の高さ」とは、「音量」とは、「音色」とはなにか
…などを、的確に把握、理解すること。
声は物理です。
カラダには「正しい使い方」があります。
ここをきちんと学べば、無駄な時間を使わずにすみます。
コツのつかみ方は、意外に面白くて、
鼻をつまむ、飴ちゃんを舌の上に乗せる、ノドまわりをマッサージしながら声を出す、
にゃにゃにゃで出してみる、などなど、「ちょっとやってみようかな?」と思えることが多いので、YouTubeなどでネタにしている人も多くいます。
ピンと来たら、あれこれやってみるのが一番です。
2. ある程度時間をかけて、達成すること
「一瞬で」できることは、あくまでも、「瞬間芸」。
歌のフィジカルな側面は、どれだけイメトレしても、YouTubeを眺めても達成することは不可能です。
毎日野球中継見てる人がみんな上達するなら、世界は大谷選手であふれるでしょう。
強い声、豊かな声を育てる、ピッチを安定させる、呼吸力をつける…など、
カラダづくり、声の体力づくりに、一朝一夕でできることはありません。
集中して練習に取り組む時期は不可欠です。
ただし、歌でつかう筋肉は、野球選手のような特殊な筋肉ではなく、普通に人とコミュニケーションを取りながら生活していれば、普通につかう筋肉ばかり。
ある程度までは、日常の暮らしの中で育てていくことも、可能です。
声の変化を実感できるまでに要する期間は、ジムに通いはじめてからカラダの変化を感じるまでの期間と同じ。1ヶ月半から2ヶ月です。
これは、毎日ある程度時間をかけて取り組める。
週に2回程度は、ガッツリ声を出せる人の平均的な数字です。
声の仕組みが理解できて、筋肉を活性化させたら、あとは歌い続けるだけで、どんどん上達できるようになります。
3. 耳と頭をつかって、磨くこと
思うような声が出る、声を的確にコントロールできる、という段階では、まだまだ人の心に刺さる歌は歌えません。
さまざまな音楽に触れ、「音楽の秩序」を学ぶこと。センスを磨くことは、「単なる発声練習」を、「歌という芸」に昇華していくために必要不可欠です。
フィジカルな面ばかりにフォーカスして一喜一憂していたのでは、いつまでも、「いい声だね」「上手だね」を越えていくことはできません。
いい音楽に、本物のいい音楽に、たくさん触れる。
歌とは、音楽とは何かを、頭を使って考える。
五感を使って音を感じる。
自分の歌に耳を澄ませる。
自分自身との音楽の関わり方をとことん見つめる。
人が歌うときに一番使うのは「脳」です。
脳は使うほど目覚めると言われます。
頭使っていきましょう!
4. 人との関わりの中で、育むこと
声は人と人とを繋ぐメディアです。
「歌の魅力」は、すなわち「人の魅力」。
人との関わりの中で磨かれて行くのです。
ひとりでずっと悩んでいたことが、人の演奏する姿、歌う姿を見て、いきなり解決することがあります。
誰かと一緒に演奏することで、眼がバキンと開くような感覚を得ることもあります。
オーディエンスのことばで、気付けなかった自分の個性に気付いたり、自信をもらったり、反対に、奈落の底にたたき落とされたりもします。
素晴らしい人たちとの出会いや、クソみたいな輩との出会いが、自分の歌をどんどん成長させ、魅力的なものにしてくれます。
怖いなら、飛び込む。
気合いです。
歌に思いを馳せると、本当に語るべきことは尽きません。
それが好きってことなのだよなと、感じ入る日々です。
今日も練習です!
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