「あなたはがんばることが好きだから・・・」
かつて、一緒に仕事をしていた女性に、皮肉混じりで言われたことがある。
がんばることが好き?
そんな風に思ったことは一度もなかった。
そんな風に人の目に映っていると知ったことは、ショックでさえあった。
がんばることが好き。
がんばらないと結果が出ないから、必死でやっているだけ。
もっと高く、もっと深く、もっと大きく・・・
もっともっとを追い続けて、どこまでものめり込んでいく姿が、
人にはそう見えるのか?
がんばらなくても結果の出せる人になれたらどんなにいいか。
若くして、成功する人になれたらどんなに幸せか・・・
そんな風に人を羨み、落ち込んだことは数えきれない。
でも、人間の劣等感というのはすごいもので、
やがて、そんなマイナスなエネルギーが原動力に変わっていった。
くよくよ、ウジウジは時間の無駄だ。
同じ人間にできることが、自分にできないはずはない。
もし、できないなら、その理由を見極めよう。
人の10倍時間がかかるなら、
人の10倍速く、たくさんの学習をこなして、同じ結果を出すしかない。
そんな風に、腹をくくって取り組むと、
できないと思っていたことは、「小さな困難の組み合わせ」であって、
「不可能」ではないと感じられるようになる。
小さな困難をひとつひとつ乗り越えて行くうちに、
やがてピークが見えてくる。
そんな小さな成功体験が、やがてたまらなく快感になっていった。
まだまだ道は遠いけど、
あたしにもできる。きっとできる。絶対できる。
盲信でも、勘違いでもいい。
ただ信じて、一歩ずつ前に足を出す。
何年経っても、何十年経っても、
あたしの生き方は変わってない気がする。
がんばることが好き?
そんな風に見える人ってきっとなかなかいない。
もしかして、これは、かなりな誉めことばなのかもしれないと、
思えるのも年の功かもしれない。