はじめて生徒に「MISUMIさん、やばいわ。ちょ〜やばいっす!」と
ライブを評されたときは、
(一体全体私が何をしたって言うのよ!?)
(私のステージのなにがそんなにやばいのよ〜〜!?)と、心の中で絶叫し、猛烈に凹み、
その勢いで、その生徒をひっぱたきそうにすらなったものです。
それが彼らの最大級の誉めことばと知った後も、
慣れ親しんだ「ヤバイ」とあまりにも違う、新しい使われ方に、
戸惑い続け・・・。
そして、若くてキレイな女子までもが、
「わ、このケーキ、やばい。」
「え〜〜!ちょ〜ラッキ〜♪やばい、やばい、やばい〜〜っ!」
と「やばい」を連発するたびに、「ヤバイって言うなっ!」と戒めてきました。
・・・いつの頃からだろう・・・?
気がつけば、
「この間、やばいイタめし屋見つけたのよ〜。バーニャとか、ちょーやばいのよ〜」
「スティーブン・タイラー、やばっ」
などと、どこのギャル?のようなことばづかいをするようになっておりまして。。。
仕舞いには、あれだけ叱り続けた弟子たちに、
「MISUMIさん、ヤバイって・・・(笑)」とたしなめられる始末。
単なるロッカーやってる若者というならいざ知らず、
もういい加減いい年の、ある程度責任ある立場のLadyが、
ヤバイとか言うなんてあり得ない!
と、思い続けても、やめられずにいました。
しか〜し。
習慣は意志力で変えられる。
2013年、私の大きな課題のひとつに、
「やばいとF*ckを口にしない」を定めました。
そうそう。F*ckも・・・なのでした。
こちらは、ひとりごとのレベルですが、
時折、ライブ中のアドリブ内で連呼してしまい、仲間に叱られたことも。。。
・・・っていうか、ひとりごとのレベルで「F*ck」連発する女子って。。
ひどすぎる。自分。
そういうときだけ「ロックだからね。あたし」と言ったりする。
実にF*ckです。あ、失敬。
というわけで、まずは「やばい」「F*ck」を口にした瞬間に気づく、からスタート。
思った以上に、使っている頻度が高く、あきれました。
次のステージは言う前に気づく。
そして、苦節4ヶ月。
やっと、それらの単語を言いたくなったら、
別のフレーズに言い換えるというステージにたどり着きました。
しか〜〜し。
このステージにたどりついて、大きな壁が出現。
「あたし、『やばい』って言う前、こういう気持ちをどう言い表してたんだろう?」
「これって、『F*〜〜CK!』と叫ばないとすると、なんというだろう?」
と途方に暮れてしまうシーンが多々あるのです。
まさにLost in Translation。
ことばが見つからず、黙ってしまう状態です。
例えば、気持ちが焦っていてもたってもいられないとき、
仕方なく、「まずい、まずい」と言ってみるのですが、
なんか、しっくりこない。
コップをひっくり返して、書類が水浸しになった瞬間、
「ぎゃ〜〜。F,F,Fぅ〜〜〜くくく・・・」とことばが出ない。
完璧に私の中の様々な言語表現は
「やばい」と「F*ck」に凌駕されてしまったようです。
まだ当分、この病の完治には時間がかかりそうです。。。