毎年あり得ないくらい楽しみにしているイベント、
六本木アートナイトにいってきました。
例年は3月の最終土日と決まっていたのだけど、
その時期の東京はまだあまりに寒いからか、今年は4月下旬、
19日(土)20日(日)ということになったみたいです。
思えば、2009年の第1回は、
『六本木が一夜限りの美術館に変貌!』というコンセプト。
文字通り、アート作品がヒルズ、ミッドタウンを中心に、
六本木の街の至る所に展示されていて、
おまけにトークイベントやインスタレーション、音楽イベントの開催、
国立新美術館の展覧会はすべて無料、
森美術館も展望デッキもオールナイトオープン・・・という、
アート好きのオトナにとってたまらないイベントでした。
日本の箱もの文化を嘆いていたあたし。
やっと日本でもNYやロンドン並みに、
アートを楽しめるオトナのためのイベントがはじまった、
箱ものも捨てたもんじゃない、とやたら感動したものでした。
それが、どうもここ2年くらい、様子が変わってきまして・・・。
予算削減か、エコか、若者を六本木に呼び寄せるための作戦か、
それとも単にキュレーターの趣味なのか。
美術館というより、学祭の模擬店みたいになってきました。
アート作品と呼べるモノは本当に数える程度。
これまで作品がぎっちり並んでいた新美術館の敷地内や、
デザインサイト周辺もすっきりしたもの。
その代わり、昨年あたりから急速に増えたのが、
参加型の手作りアート(的なもの)。
「みんなで図工の時間を楽しみましょう」、
「さぁ、一緒に踊りましょう」的イベントが
あちこちで開かれていて、若者を中心に大いに盛り上がっていました。
並んでいる作品は稚拙かつ、手作り感満載ですが、
「みんなで一緒に」が大好きな若者たちは、
こういう学祭ノリが楽しいんですね。
そんなわけで、当初と比べると、客層ががらりと変わりました。
若者は屋台やカフェでごはんを食べるようで、
予約を取るのが大変だったレストランも、昨夜は空席がちらほら。
展覧会もほどよく快適な混雑具合。
当初、街にあふれていた、お洒落で、アート好きのオトナは、
影をひそめておりました。
やっぱり日本は、大衆と若者中心に動いているのだなぁ。。。
オトナたちが海外志向になるのは、仕方のないことなのだよなぁ。
そんな風に勝手に感じて、ちょっぴりやさぐれたりもしましたが・・・
もちろん、
せっかくのアートナイト。
あたしらしく、めいっぱい楽しんできました〜(^^)))
まずは、近いのに、日頃はなかなかでかけられない国立新美術館。
故・黒川紀章の設計したこのビルのフォルムが大好きで、
目の前におかれたオブジェとのアンバランスなバランスに、
見入ることしばし。
企画展、『イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる』の
コレクションもとっても興味深く、
いわゆるアートとは違う、人類が共通に持つ、普遍的イメージの世界に
にんまりしたり、ほほぉとため息をついたり。
そして、アートナイトといえば、美味しいお食事。(なんでやねん!)
この日に、小洒落たレストランでごはんを食べるのが、
また、楽しみのひとつでもあります。
今回は『ニルヴァーナNew York』をチョイス。
iphoneカメラによる画像はしょぼしょぼですが(^^;;)
夜景もお料理もデリシャース!で、アートな気分が盛り上がります。
(だから、なんでやねんっっっ!!)
お食事がすめば、すでに22時をとっくに回って、街は小雨がパラパラ。
ヒルズは、さらに若者でごった返していました。
写真は、謎の『巨大な構造物を指定の空間に搬入する』という、
パフォーマンスの真っ最中のWest Walk入口。
趣味じゃない「なんちゃってアート」のそばはさっさと通り過ぎ、
色とりどりに変容する毛利庭園の池のインスタレーションに出会って、
しばし、おばあちゃんのように、しゃがみ込んで見とれれば・・・
最早、すっかりご機嫌です。
締めはもちろん、今夜最大のお目当て。
『アンディ・ウォーホル展:永遠の15分』。
アートに目覚め、アートを追いかけるきっかけとなった、
ウォーホルの作品は、いつ見ても感性をビシビシ刺激してくれます。
この展覧会、今までいろいろなところでウォーホルを見て来た中でも、
一番作品が充実していた気がします。
お勧めの展覧会です。5月6日までね。
そんなこんなで、
ぶーぶーいいながらも、結局、今年もアートナイトは最高に楽しく。
また来年も、やっぱり来ちゃうんだろうなぁと思ったのでありました。
来年はもうちょっと、オトナも楽しめる、
ホントのアートな夜になってくれますように。