大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「クロスキャリア」で音楽家人生を生き残る

   

あなたがまだ10代なら、
才能、容姿のどちらか、または両方と、正しい人脈さえあれば、
チャンスをつかむのはそんなに難しいことではありません。

 

「天才だね」とか、「若くてかわいいのに、結構やるよね」なんて言われて、
あちこちからいろいろなお誘いがかかったり、
お金や時間をかけて、世に出そうと必死になってくれる人が出てきたりします。

 

ところがここでちょっとのんびりしちゃうと競争はいきなり熾烈になります。
20代を迎える頃には、
そのすぐ後ろから、10代ではイマイチ才能を発揮できなかった、
努力型人間、「磨けば光る人たち」が、台頭してくることになるからです。

 

お化粧もしない、美容院も行かない、
ハンバーガー食べまくって、真っ黒に日焼けしていた子が、
いきなり、「あなた、誰?」というくらい綺麗になったり、

ピッチも定まらず、勢いだけで歌っていたような子が、
コツコツ努力して、突然、めちゃくちゃ技術を身につけたり、

急に詞や曲を書くコツをつかんで、
いい曲を量産するようになったりするのです。

 

そういう意味で、20代は、ミュージシャンの戦国時代とも言えるでしょう。

 

さて。ここで、「やっぱり音楽で仕事してくのって、難しいよね」と、
あっさり、別の道を歩む人は、それはそれで正しい。

 

「けど、やっぱり、どうしても・・・」と悩んでいる人に、
是非一度、考えてみて欲しいことがあります。

 

それが、「クロスキャリア」です。

 

人には、自分ではなかなか気づけない、思いがけない「強み」があるものです。

 

たったひとつの強みだけで、戦国時代に頭ひとつ抜きんでて、生き延びて、
30代、40代、50代と、どんどん険しくなるキャリアの坂を上り続けることは、
非常に苦しい。

ハッキリ言って、よほどの天才でない限り、
または、よほど運に恵まれない限り、実に難しい。

 

しかしです。

この「クロスキャリア」という考え方をつかうと、独自の戦いができます。
たとえば、「歌がうまい」という強みに、
「ダンスがうまい」「ルックスがいい」が組み合わさると、
強みが増すのはわかりますね?

 

または「歌がうまい」に、
「いい曲を書く」「楽器が達者である」の組み合わせも強みが増します。

 

しかし、それぞれ、これら3つを強みとしている人は山のようにいます。

ですから、ひとつひとつのレベルが、相当高くないと、
頭ひとつ抜き出ることは難しいのです。

 

 

ところが、です。

「歌がうまい」「ダンスがうまい」「ルックスがいい」子が、
「いい曲を書く」「自分でアレンジもすべてこなす」となると、
「強み」レベルはぐんと増します。

 

まず、自分の周りにそんな子はいない。
会ってみたいと思う。

それが基準です。

ちなみに、かつてトイズファクトリーで活躍していたアーティスト、
AYUSE KOZUEさんは、この5拍子を兼ね備えていることで注目を浴びました。

 

他にも、

「英語が流暢である」

「コーラスなどのアレンジができる」

「仕事がはやい」

「性格が陽気で、楽しい」

「身長が高い」

・・・などなど、強みになりそうなことはいろいろとあります。

 

まったく違う切り口もあります。
「歌がうまい」「ダンスがうまい」「ルックスがいい」に、
こんな組み合わせがくっつくのはどうでしょう?

「英語が流暢に話せる」

「変顔が得意」

「自分の見せ方がよくわかっている」

「自撮り映像をつくるのが大好き」

「好きなものを徹底的にオタッキーに追いかける」

 

・・・興味がわきませんか?

 

一昔前ではあり得ない組み合わせですが、
今や、こうした強みの組み合わせで世界的に話題になっているアーティストもいます。

Miracle Vell MagicUmi-Kunなどは、まさにその典型ですね。

 

 

 

固定概念にとらわれていたらダメです。

 

自分の武器を全部テーブルの上に並べて、そのひとつひとつを磨いていく。

やがてそれが思いもかけない時に、キャリアを切り開いてくれるのです。

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キャリアに悩む人のために、これから、ときどき
『音楽人キャリア・サバイバルシリーズ』をお届けして行きますね。

 - 音楽人キャリア・サバイバル

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