大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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平均的な舌って、なに?

   

誰しも、生まれながらの自分のカラダが、
自分にとってのスタンダード=標準規格です。

それぞれのサイズや厚み、重さによって、
つかう筋肉の感覚も、強度も違うわけです。

手足の長さなどの違いは一目瞭然ですが、
人間には、人と見せ合ったりしない限り、
他の人との違いに気づかないカラダの部分がたくさんあります。

性に関わる部分だけではありません。
実は口の中も、同じです。

これまで、レッスンを通じて、
さまざまな人たちの口の中を見せてもらってきました。

もちろん、専門家であるお医者さんの比較にはなりませんが、
それでも、かなりな数を見て、毎回驚くのは、
舌、口蓋垂、咽頭などの形やサイズのバリエーションです。

中でも、もっともその違いが顕著なのが舌でしょう。

自分の舌は自分にとってのスタンダード。
あえて、他の人に見せてもらうようなものでもないし、
まして、会話したり、食事したりするときに、
他人の舌をまじまじと見たりすることもありません。

では、あなたは自分の舌をじっくりと観察したことがありますか?

舌の色や苔の状態ではなく、形や厚み、長さです。

ビックリするくらい長くて、顎まで届く人がいます。
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ここにもひとり・・・

反対に、がんばって伸ばしても、
下唇をギリギリ覆えるくらいしかない、
短い舌の人もいます。

顎の真ん中くらいまで伸びるのが平均的でしょうか。

また、日本人の舌の厚みの平均は2㎝程度と言われていますが、
前後1㎝くらいの誤差は普通にあると思われます。

口の横幅と同じくらいの巨大な舌を持つ人もいますし、
ぺらっと薄くて、小さな舌の人もいます。

舌が短いとラ行やタ行などの発音に苦労しがちですし、
大きすぎると、声がこもりがちになります。

形やサイズだけではありません。

舌が常に緊張して、とんがってしまってしまったり、
舌の奥に力が入って、喉の奥が見えにくくなってしまったりすれば、
カツゼツだけでなく、発声や呼吸にも影響を与えることになります。

まずは一度、じっくり自分の舌を観察してみませんか?

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