大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

平均的な舌って、なに?

      2024/06/15

誰しも、生まれながらの自分のカラダが、
自分にとってのスタンダード=標準規格です。

それぞれのサイズや厚み、重さによって、
つかう筋肉の感覚も、強度も違うわけです。

手足の長さなどの違いは一目瞭然ですが、
人間には、人と見せ合ったりしない限り、
他の人との違いに気づかないカラダの部分がたくさんあります。

性に関わる部分だけではありません。
実は口の中も、同じです。

これまで、レッスンを通じて、
さまざまな人たちの口の中を見せてもらってきました。

もちろん、専門家であるお医者さんの比較にはなりませんが、
それでも、かなりな数を見て、毎回驚くのは、
舌、口蓋垂、咽頭などの形やサイズのバリエーションです。

中でも、もっともその違いが顕著なのが舌でしょう。

自分の舌は自分にとってのスタンダード。
あえて、他の人に見せてもらうようなものでもないし、
まして、会話したり、食事したりするときに、
他人の舌をまじまじと見たりすることもありません。

では、あなたは自分の舌をじっくりと観察したことがありますか?

舌の色や苔の状態ではなく、形や厚み、長さです。

ビックリするくらい長くて、顎まで届く人がいます。
2317477_s

ここにもひとり・・・

反対に、がんばって伸ばしても、
下唇をギリギリ覆えるくらいしかない、
短い舌の人もいます。

顎の真ん中くらいまで伸びるのが平均的でしょうか。

また、日本人の舌の厚みの平均は2㎝程度と言われていますが、
前後1㎝くらいの誤差は普通にあると思われます。

口の横幅と同じくらいの巨大な舌を持つ人もいますし、
ぺらっと薄くて、小さな舌の人もいます。

舌が短いとラ行やタ行などの発音に苦労しがちですし、
大きすぎると、声がこもりがちになります。

形やサイズだけではありません。

舌が常に緊張して、とんがってしまってしまったり、
舌の奥に力が入って、喉の奥が見えにくくなってしまったりすれば、
カツゼツだけでなく、発声や呼吸にも影響を与えることになります。

まずは一度、じっくり自分の舌を観察してみませんか?

 - カラダとノドのお話

  関連記事

体重計に乗っていますか?

先日亡くなった、お友達であり、ボイストレーナーの小島恵理さん。 ヤマハ音楽院のレ …

「風邪は引かないことにしています」

長年アニメのディレクターとしてお仕事をしている姉が、 高校生の頃、父の学生時代の …

女子だって、ロックしたいっ!

最近でこそ、 女性ギターリストとか、どんどん出てきて、 女子向けのサイズのギター …

マスクは「声」をダメにする!?

先日、新宿駅を歩いていたときのこと。 背後でおしゃべりしている若い女性たちの声を …

「いい音を出すには、ある程度の音量が必要だ!」とかって言いますけどね・・・。

「いい音を出すには、ある程度の音量が必要だ」 ロックギターリストが口をそろえて言 …

高い声は、がんばらずに出す。~SInger’s Tips #17~

「高い声は、がんばらないと出ない」と、 思っている人がいます。 なぜそうなっちゃ …

口の中が乾く?咳が長引く?ノドが乾燥する?

「ノドがすっごく乾燥するんです」 「最近の風邪は咳が長引いて。。。」 「口の中が …

飲み会で声が枯れる理由

昨日お仕事納め、そこから忘年会だったという方も、 たくさんいらっしゃるのではない …

風邪をひいたら歌っちゃだめなんです

「先生、私、ちょっとノドの調子が悪いんですけど・・・げほげほげほ、 でも、一所懸 …

声が届かない3つの原因

先日、4年半ぶりに「話す」がテーマのワークショップ、 BizLabをスタートいた …