大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

どんな不調も、見て見ぬふりをしない”しつこさ”が勝負!

   

今日はものすご〜く私事ながら、
声をお仕事にしている方、歌っている方に、
もしかして少しはお役に立てるのじゃないかという思いもあり、
私の「お医者さん日記」を書こうと思います。

正直、ちょっと気持ち悪いところもあると思いますので、
お食事中の方は読まないでくださいねー。

 

昨年の11月末。
ハウステンボスでリラックスしていたら、
いきなり喉がとんでもなく痛くなり、帰宅して即、内科受診。

幸いいただいた抗生剤その他がよく効いて、ほどなく症状は喉から鼻へ。

次の1週間は、いわゆる「ティッシュとお友達」状態です。
鼻セレブや、鼻の下に塗るクリームなどを持ち歩いて、
もう、嫌になるほど鼻をかみました。

ノドの状態はそれほど悪くはないものの、
鼻が詰まっていると、やっぱり声は抜けません。
無理して声帯様に負担をかけると、
すぐにおかま声になっちゃいます。

とはいえ、ノドから鼻への症状の移行は、
私の場合、通常、風邪が治っていくプロセスです。

その時はこれで治るんだなーと思っていました。

 

翌週、いきなり副鼻腔炎の症状が出ました。

頬骨のあたりや歯が痛い。
眠れないほど痛くなって、焦りました。

翌朝から終日x3日間、大学の授業が詰まっているので、
お医者さんにも行けません。

仕方なく、何年か前に副鼻腔炎になった時もらった薬を、
賞味期限を気にしつつ飲んだら、効きました!

1〜2日であっという間に痛みもなくなり、
数日で鼻から膿が出て、副鼻腔炎もやがて終了。

今度こそ終わりかなーと思ったら、
次は気管周辺にかゆみのような違和感が出て、
深呼吸をすると咳き込みそうな感覚が、これまた1週間ほど。

結局、何だかんだ1ヶ月近く、
不調のまま過ごしていたことになります。

さて。

そんな不快症状もすっかりおさまった昨年末頃からでしょうか。

なーんでもないのに、
話していたり歌っていたりすると、突然痰が絡む。
そして、げほっと変な痰が出る。
ありゃ?ということが1日に2〜3回。

咳も出ない、鼻も出ない。

こんな変な症状がなんだかんだ2週間以上続きまして・・・

気持ち悪いので、また内科へ。

しかし、こういう症状は、あまりご存じないようで、先生も戸惑い顔。

「うーん。もしかしたら副鼻腔炎が、まだ治ってないのかもしれませんよ。
後鼻漏がノドに回って・・・という感じかもしれません。
とりあえずお薬出しますけど、近いうち、耳鼻科受診してみてください」

あー。。。わかんないのね。

ちょっとがっかりしながらも、真面目にいただいた薬を飲むも、
一向に効きません。

 

仕方なく、今度は近くの耳鼻科へ。

ちなみに、私自身は「副鼻腔炎説」には懐疑的でした。

以前一度副鼻腔炎になった時は、
わかりやすく鼻が詰まっている感がありました。
完全に共鳴ポイントが変わって声の抜けが悪くなったし、
高い声が鼻に詰まって出ない。
音域も明らかに狭くなりました。

今回は痰が絡んじゃう時以外、
ノドにはなんの問題もありません。
声だってパキーンと出ています。

 

さて、耳鼻科のお医者さん。

カメラなどで念入りに鼻を調べてくれた後、曰く、

「うーん。副鼻腔炎はどうかしらー?
もしかしたらアレルギーかもしれないわね。
鼻にちょっと炎症あるようだし。気管にも炎症あるかもしれないわねー。
とりあえずアレルギーの薬、出しておきますね」

結局、ここでもしゃきっとした回答を得られないまま帰宅。
眠さに耐えてアレルギーの薬を飲み、点鼻薬をすること1週間。。。

症状は全く変わりません。
まったく、です。

1日数回のゲホ。

がっかりです。。。

 

しかし、まぁ、こういうことには執念を燃やす体質です。
カラダの不調は、たとえどんな不調でも放置できません。

 

やっぱり本命は”呼吸器科”と踏み、
一昨日、今度は総合病院の門を叩きました。

いやー。
紹介状を持っていれば別なんでしょうが、
飛び込みで行くと、”呼吸器科”にたどり着くまでが大変です。

お目当ての”呼吸器科”はすぐには受診できないのです。

「まずは内科を受診してください。」ということで、
インフルエンザウィルスの蔓延しているであろう待合室で、
マスクとウェットティッシュを握りしめ、待つこと20分。

やっと会えた内科の先生。

いきなり「レントゲン撮りましょう」となり、撮影。

ふたたび診察室へ。

「うーん。そうですねー。肺はきれいですね−。
お話聞いていると、やっぱり耳鼻咽喉科か、呼吸器科でしょうかねー。
とりあえず、痰の検査だけ出してもらって。
紹介状書くので、明日また、いらしてください。」

・・・・。

言ったやん。。。
“呼吸器科”ですって。

 

さて。

 

雪があまり積もらなかったおかげで、
さくさくと病院にたどり着いた昨日。

まずは内科の先生が予約を入れてくれた順番どおり、
耳鼻科からの受診です。

鼻カメラを入れても痕跡なし。炎症も全然なし。

「副鼻腔炎の自覚症状はまったくないんです!」

と訴える私の話を、
「そーですかー」と思いっきり大阪弁で相づちをうちながら、
一所懸命聞いてくれた先生。

それでも、お約束なのでしょう。

「お鼻のCT撮りましょう」。
「あ、この後呼吸器科も行くんなら、ついでに、お胸も撮っておきましょう」となり・・・

CT室で、いきなり「輪切り」です。

耳鼻科の先生、私の輪切りを見ながら、
「副鼻腔、きれいですね〜」(めっちゃ大阪弁)。

「うーーん。何にもないです。炎症とかもないんです。
やっぱり、呼吸器科の先生に、よく見てもらってください。」

先週耳鼻科でもらった薬は飲まなくてもいい、
点鼻薬も無用と言われ・・・

とぼとぼと、最終目的地、”呼吸器科”へたどり着いたときは、
病院に入って、すでに2時間が経過していました。

 

ついにたどり着いた”呼吸器科”。

輪切りにされた私のCTの写真をみながら、
これまでの長い経過を根気よく聞いてくれた先生。

「肺は異常ありませんよ。とてもきれいです。」

まずはほっと一息ついたのもつかの間、
先生、私の方に向き直って、言いました。

「うーーん。。。困りましたね−。」

 

はい・・・?

また、「うーん」かいっ!!??

 

お医者さんの診断も、
ヴォイストレーナーの声へのアドバイスと同じです。

人間のカラダのすべてをくまなく見ることはできません。
どんなに検査したって、ヒアリングしたって、
結局最後、診断は、経験や勘に頼るしかないのですね。

 

さすがに、私の「そんなぁ〜〜」と、
へたり込みそうな様子を見たからか、
呼吸器科のお医者さん、カルテを見ながら、
もう一度、「うーーん。」。

「これまでいろいろやってきていますが、
どれも効果がなかったわけですよね?

これまでにやっていなかったことと言えば、
気管支喘息や急性気管支炎のための吸入ぐらいなんですけど、
やってみますか?」

 

というわけで、

気管支喘息の人のための、気管の炎症を鎮めるための吸入剤、
というのをもらって帰ってきました。

 

昨日の今日なので、まだ結論は出ていませんが、

現状、昨日までより、「ごほっ」という回数が減り、
排出される痰も、ようすが変わってきたように思います。

まぁ、私はプラシーボ体質なので、結果はまだわかりません。

でも、なんか、効く気がしています。

 

 

自分のカラダの中に、不調があるのは許せないものです。

鉄のノドと呼ばれる私が、
ノドの不調を許していいはずがありません。

ときに、「年よね」でやり過ごしてしまいそうな軽い症状です。

でもさ、どんな症状にも必ず原因がある。
老化現象で片付ければ、肥満だって、疲労だって、ドライアイだって、
全部、「しかたない」で終わっちゃいます。

そのうち治るよね、と放置すれば、
その間ずっと不快と付き合わなくちゃいけない。
しかも、それが悪い方向に行かないという保証はありません。

全部やる。
とにかくなんでもやる。

やりきって、
「しかたないか」と自分の腑に落ちるまでは、徹底的に戦う。

可能な限り快適に自分と付き合い続けるには、
これしかないと信じています。

 

さて。プラシーボか。それとも本当に効いているのか。

とにもかくにも2週間ほど、がんばってみます!

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 - My History, カラダとノドのお話

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