大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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センスは鍛えられる!フォーカスで変わる“聴こえ方”と“見え方”

   

目の前にドラムを叩いている人がいます。
あなたは、どこに意識が向きますか?

ドラムに興味がなければ、その人のルックスやファッションに目が行くかもしれないし、ドラムを始めたばかりなら、スティックの持ち方やセットアップが気になるかもしれません。

目を閉じて、ビートやグルーヴをカラダで感じる人もいれば、楽器マニアなら、ドラムセットのメーカーや年式を見極めようと身を乗り出す。
音響さんなら、マイクの位置やセッティングが気になるかもしれません。

人はそれぞれ、フォーカスするポイントが違うのです。

プロドラマーの友人が、海外の有名ドラマーのプレイを間近で観たと、興奮して話してくれたことがあります。

「いやぁ、すごいんだよ。頭の位置がぶれないんだよね」
「呼吸のタイミングがめちゃくちゃ自然でさ」

そんなところを見てるの!?と、正直、驚きました。

歌でも楽器でも、達人は、フォーカスのポイントが違います。
同じものを聴いていても、取り出せる情報の“質と量”が、まるで違うのです。

 

この「フォーカスポイント」を捕まえる力こそが、センス。
フォーカスポイントが多いほど、解像度が上がるのはカメラも人も同じです。

「センスを磨く」ためには、下記のプロセスを繰り返すことです。

  1. 探すべき情報の存在を、詳細に知る。
    何を探したらいいのかわからない状態で、情報を拾い出すのは、時間も根気も必要です。一方、探すべきものの存在をインプットすれば、脳はその存在を見つけ出すため、一気に集中力を増します。
    「何を探すべきなのか」をまず知ること。
    達人たちの話を聞く、音楽書を読む…そんな“下調べ”こそが、センスを育てる第一歩です。
  2. フォーカスの仕方のコツをつかむ
    探すべきものに集中しようとしても、いきなりシャキーンと焦点が合うわけではありません。
    フォーカスポイントをとらえるトレーニングは、「立体視」の練習に似ています。
    ただのブレブレの画像が「必ず立体的に見える!」と信じて眺め続けるうちに、突然浮かび上がって見える、あの感じです。
    探している勘所を脳が見つけ出すまで、あきらめないこと。
    これが肝心です。
  3. 繰り返しチャレンジして、スピードと精度を上げる
    コツを掴んだら、そこからがスタートです。
    繰り返しトレーニングを続けて、スピードと精度を上げていきましょう。
    ひとつフォーカスできるようになったら次、というように、たくさんのポイントを見つけられるようになるほど、上達します。
    スポーツ経験のある人や、なにか得意なことがある人は、その上達のプロセスを思い出してください。

センスは生まれ持ったものではなく、見つけ出すもの。
フォーカスポイントを捕まえて、センスをどんどん磨いていきましょう!


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