最高じゃなきゃ、意味がない
昔、友人が、
「ライブであまりにお客さんのノリが悪くて、頭にきた。
『お前ら、もっと、ノレやっ!』と半ギレであおり倒して、最後はお客さんと喧嘩になった。」
と言っていて、
「なんか、カッチョいいぞ」と思ったものです。
「お金払って自分のライブを見てくれているお客さんに向かって言うことじゃないでしょ?」
という向きもあるでしょう。
いや、確かにそうなんだけど、そのことばの前提にある、
「俺らはこんなにいい演奏してるのに」と言い切る、彼の自信とプライドに、心の底からシビれました。
駆け出しで、コーラスのお仕事でツアーを回りはじめたばかりだった私。
ヴォーカリストとしての自分には、まだまだ自信も確信も持てずにいました。
ライブなんて、やるのが精いっぱい。
お客さんが来てくれたら、それだけで嬉しい。ありがたい。
あたしの歌、どうだったかな?
みんな、どう思ってたかな?
そんな弱気、受け身のアマチュアマインドだった私にとって、お客さんと喧嘩するほど、自分の演奏や歌に確信を持っている彼は、実に羨ましい、憧れの存在でした。
オリジナル商品を企画開発をして、自ら販売をしている友人がいます。
「自分がいいと思えないものを世の中に出すなんてあり得ない。
最高だと思うから、人に教えてあげたくなる。
こんなに素晴らしいもののことを、まだ知らない人がいたら可哀想だから、
伝える努力を怠らない」彼女は言います。
カッチョいい。。。
自分が自信を持って、「最高だ」と言い切れるものなら、躊躇なく人に勧めるのが当然。
音楽で成功する人、ビジネスで成功する人には、確実にこのマインドがあります。
イマイチ確信が持てない、なんだかぱっとしないものを、
なんとか帳尻を合わせて、でっちあげて、値札をつけて、棚に並べる…。
商品でもサービスでも、そんなことをしていれば、お店の格はどんどん下がります。
自己評価も、下がっていきます。
最高のメンバーと、最大の準備をして、全力で最良のパフォーマンスをする。
少なくとも、常にそこを目指す。
自分にとっての「最高・最大・最良」を、他人と比べる必要はなくて。
ライブでも、講座でも、経験を積み重ねながら、自分の中の「基準値」を高めていく。
それしかないんですね。
このところ、自分自身の「今」を最大化するために、何と向き合い、何を捨てるべきかを、日々考えています。
自信も確信も持てないフィールドで、もがき続けるステージは、もう終わり。
これからは、“ベスト・オブ・ベスト”と言えるものだけにエネルギーを注ぐ。
その価値を徹底的に磨き上げて、ひとりでも多くの人に届けたい。
そんな思いでいます。
あなた「最高・最大・最良」は、なんですか?
12月6日、最新メソッドをまとめた、年末スペシャルZOOMセミナー開催。
2025年、のべ800名が体感した“声がよくなる/歌がうまくなるボイトレ・メソッド” TOP10 を公開します。
詳しくはこちらから>>

関連記事
-
-
集中力ってのは、訓練だ。
「売れてるプロほど、ますます上達する」と言われます。 そもそも売れ始める時点で、 …
-
-
自分自身こそが「最も手強いオーディエンス」だ/『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』
「観客のことは意識しないことにしている。 クリエイトするときはいつもそうだ。 ま …
-
-
ヴォーカリストだって、もっと「音色」にこだわる!
「ロックは出音とグルーヴ、ステージプレゼンス」 と繰り返し書いてきました。 筆頭 …
-
-
「もっと心をこめて歌ってよ」!?
「歌は心」的な話は苦手です。 心をこめて歌おう、 情感たっぷりに歌おうとがんばる …
-
-
タフであること。 楽天的であること。 そして適度に鈍感であること。
少し前のこと。 とあるアーティストの子が、こんなことを言っていました。 「悪口を …
-
-
音楽をやる理由?
自分とおなじくらい「音楽に夢中」という友達に出会えないことが、 学生時代の悩みで …
-
-
「人前で歌うとき」の理想的な状態
人前で歌うとき、パフォーマンスするときに、 重要だと考えていることは3つあります …
-
-
まず、自分の出音(でおと)をちゃんとせい。
トレーナーズ・メソッド、リズム編のテキスト制作中にて、 古今東西のドラマーの名演 …
-
-
BPM1目盛りの職人芸
BPMということばが普通に使われるようになったのは、 いつの頃からかわかりません …
-
-
「なり方」なんて、きっとない。
「普通の人とおなじことしてたんじゃ、何者にもなれないでしょ」 ボイトレに通って …
