「この歌、いいなぁ」には必ず理由がある!
「売れる曲には、必ず理由がある」
あるヒットメーカーが教えてくれたことばです。
売るための仕掛けや、流通などのことではなく、
(もちろん、そういう要素なしに大ヒットはあり得ないでしょうが)
作品そのものに、「売れる理由」がちりばめられているというのです。
そして、
「その「売れる理由」を理解することなしに、
表面的にその曲をどんなに巧妙にパクっても、けしてヒットには結びつかない。」
「反対に、その「売れる理由」をパクることで、
曲自体は全然似ていなくても、ある程度「ウケる曲」はつくれる」
というのです。
「それは、コード進行であったり、イントロの仕掛けであったり、
ボーカルの歌い回しやエフェクターのかけ方だったり・・・
それを見極めるのがおもしろいんだよ」。
さて、今日のお話はここからです。
実は、「この歌、いいな。」「かっこい〜い!」と思うパフォーマンスにも、
必ず「理由」があります。
音色、歌い回し、ちょっとした間の取り方、ことばの発音、
繰り返し出てくるアドリブ的フレーズなどなど・・・
こうした、「どきっ」とする仕掛けや理由を、感じ取り、学び取り、
自分の表現バンクの中にどんどん取り込んで行くことは、
自分のパフォーマンスの精度や魅力をアップして行くために必要不可欠です。
反対に、どんなにその曲を練習し、
通り一遍歌えるように、演奏できるようになっても、
そのパフォーマンスの美味しいところを感じ取れないままでは、
練習の意味は半減してしまいます。
たとえば、どんな音楽学校でも、課題曲というのがあると思います。
先生方がその曲を選んでいるには、それなりの「理由」が必ずあります。
その曲が時代を超えて愛されている名曲ならば、なおさらです。
この曲の、パフォーマンスの魅力はどこにあるのか?
時代を超えてなおも「かっこいい」という人が沢山いる、理由はなんなのか?
音楽家なので、言語化する必要はありませんが、
カラダで感じ、体現することでしか、本当のよさはわかりません。
送り手となる以上、単なる受け手と同じように、
漠然と感じたり歌ったりしていたのではダメなのです。
そして、間違えても、「売れたのは顔や話題性のせいだ」と高をくくったり、
「所詮、おっさんたちの懐古趣味だ」などとうっとうしがったりするのは、
10年、いやいや、100年早いのです。
「よい」と言われる理由を感じ取り、理解した上で、
それを自分の表現ライブラリーに取り入れるのか、
「やっぱり嫌い」「違ったアプローチで歌いたい」となるのかを、
判断できるのが理想ですね。
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Comment
こんにちは。
Facebookで、大槻さんの投稿に“いいね”をする友人がおりまして、そこから大槻さんの記事を読ませて頂きました。
最初は、ほんの趣味で歌が上手くなりたい
と思ってジャズボーカルに足を踏み入れました。
と思うようになり、あちらこちらを彷徨っています。
今もその気持ちは、変わってはいませんが、更にもっと深くジャズボーカルを知りたい
歌うことは、好きで、セッションにも参加するようになりました。
そこでのマナーも皆さんにご迷惑がかからないようにしたいと思っている時に、大槻さんの記事で、セッションに参加する時のマナーなんていうタイトルを発見したり、とにかくとっても大槻さんの記事を楽しみに読ませて頂いております。
大槻さんからしたら、全く知らない私ですが、とにかく感謝の気持ちをお伝えしたくて、コメントをさせていただきました。
ありがとうございます。とても勉強になります。
大槻さんのますますのご活躍とご健勝をお祈りしてしますね。
ありがとうございました。
>森 喜美子さん
メッセージ、ありがとうございます!
とても励みになるおことば、本当に嬉しいです。
これからも、お役に立てるブログを書けるよう精進して行きます(^^)