自分の「サイズ」に合った声を出す
2022/12/25
管楽器ほど、
一目見ただけで音色の想像がつく楽器もないでしょう。
大きさ通り、見た目の素材通りの音がする。
そして、それこそが、「音色」の基本です。
歌の練習を始めると多くの人が陥るのは、
自分のカラダが、
実際の大きさよりも、
遙かに大きな楽器であるかのように、
カラダをぐっと膨らませ、
口の中の空間を押し開いて、
太くて大きな声の響きを演出しようとすること。
一方、緊張でカラダだけでなく、
呼吸筋まわりや口の内外をも萎縮させて、
ぎゅっと縮こまって歌うような人もいます。
つまり、自分のカラダのサイズ通りに歌えていないのです。
たとえば、ピッコロに、
バリトンサックスを吹く時のように、
ブオ〜ッと圧の強い空気を吹き込んだらどうなるか?
反対に、トロンボーンを
縦笛のように吹いたらどんな音がするか?
楽器には、それぞれ、ふさわしい鳴らし方があるのです。
ビッコロでサックスのような音色を出そうと気張ることに、
一体どんな意味があるというのでしょう?
くちびるも、呼吸筋も必要以上に緊張し、
肩に力が入り、
自分らしい表現どころか、
よい音色も出ず、
ピッチすら確実に当たりません。
サックスの音色を出したいなら、
サックスを吹くに限る。
ピッコロにはピッコロの魅力があって、
それを極めることで、
格別な表現を手に入れることができるのです。
とはいえ、自分の楽器はこんなもんである、
と決めつけてしまうのも危険です。
トレーニング段階では、
未知なる音色、
思いも寄らない可能性が眠っていると信じて、
さまざまな角度から自分を追い込んでいくことで、
ピッコロだったものがフルートに姿を変えたりするのが、
人間のカラダの面白いところであり、
素晴らしいところでもあります。
いずれにせよ、
大切なことは、
自分自身と向き合うこと。
自分の価値を過小評価しないこと。
その可能性を最大限引き出すこと。
自分の心身のサイズと、
表現したいこと、
そして、技術力のバランスが取れたとき、
自分史上最強の表現ができる。
そんな風に信じています。
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