「個人レッスン vs グループレッスン」ボイトレの正解とは?
実によくされる質問のひとつに、
「個人レッスンとグループレッスンっだったら、やっぱり個人がいいですよね?」
があります。
「1時間のグループレッスンだと、まず、みんなで声出しして、自分が見てもらえる時間は、せいぜい10分くらい。
それならマンツーマンで自分の歌をガッツリ見てもらった方がいいのでは?「
ということのようです。
確かに、自分の歌を集中して見て欲しいなら、個人レッスン一択ですが、グループレッスンには、個人レッスンにはないメリットがいくつかあります。
1.人の歌を客観的に聞くことで、自分の歌への理解が深まる
自分の歌の現状を見極め、今、何をすべきか見出す。
この力が身につけば、歌はどんどんうまくなります。
ところが、レッスン中必死に歌っていると、なかなか自分の歌を客観的に聞けないもの。
講師にアドバイスされても、できているのか、いないのか、わからない。
腑に落ちる答えをみつけられないまま、モヤモヤと帰路につくこともあるでしょう。
一方、人の歌はよく聞こえます。
その人の声、姿勢、呼吸。フレーズのうまさ。まずさ。
リズムやピッチのよしあし。
自分のことに悩んでいるときほど、人の歌をじっくり聞けるようになります。
人の歌や、その人に対して講師がしているアドバイスを聞くことで、自分の歌だけに意識を向けていたときとはまったく違う形で、レッスン内容がスーッと理解できることは多々あります。
他の人に講師がアドバイスしている時間を「無駄」と感じるか。
その時間を利用して、「学び」を深めるか。
何ごとも心構えです。
2. 講師の人柄や力量を理解しやすい
レッスンは、講師との人間関係がすべてと言っても過言ではありません。
残念なことですが、講師のことばに、知らず知らず、自信を奪われたり、傷つけられたりという人はたくさんいます。
講師の要求に応えられない、言っていることが理解できないのは自分の努力不足だ、と考える人も多いようです。
ハッキリ言えば、それらはすべて講師側の力不足。勉強不足。
真面目にがんばっていても、思ったように上達しないのは、講師の教え方が悪いからです。
いえ、人様の批判をしているわけではありません。
これは、私が常日頃、自分に言いきかせていることばです。
「なぜ、上達しないんだろう?」と思ったら、教える側がもっともっと研究し、くふうすべきなのです。
グループでレッスンを受けていると、その講師の人となりや、力量を客観的に判断することができます。
ワンクッションあることで、人間関係の重さも軽減されます。
受講生同士で、講師の噂をすることで、受けなくていい負の影響を回避することも可能です。
3.情報交換が、成長のきっかけになる
人はそれぞれ、まったく違う音楽環境の中で成長します。
今、たまたま同じ音楽が好きでも、それぞれのバックボーンの在り方で、その聞き方、聞こえ方は全然違う。
音楽は人と一緒に演奏するもの。人に届けるもの。
「人への理解」なしに、いい歌を歌うこと、いい演奏をすることは不可能です。
目の前の人が自分の歌をどんな気持ちで聞いてくれるか。
人はどんな目線で歌う曲を選ぶのか。
感心することも、感動することも、あきれることも、ぜんぶが勉強です。
音楽を通じて人と関わることを学ぶ。
グループレッスンはその大きなきっかけをくれるはずです。
いかがでしょう?
グループでも、個人でも、レッスン時間には一瞬も無駄な時間はありません。
どんな時間も、その時間の価値を最大化できるか否かは、自分次第です。
全身全霊、味わっていきましょう。
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