大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

もっとオモシロく教えてください。

   

大学時代、出席していた授業の9割は、
わからないというのじゃなく、つまらない。
難しい話をしているわけじゃないのに、やたらわかりにくい。

たいして熱心に勉強していたわけでもない私が言うのもなんですが、
どんなに興味があることでも、「お勉強」ってのは、
やっぱり退屈でつまらないものなんだなと、がっくりきたものです。

どんな授業も、結局、オモシロかったことしか覚えていない。

今でも、先生の声や表情まで生き生きと思い出される、
教授たちの名言(迷言?)トップ2はこれです。

ドイツに留学していたという映画概論の教授。
「留学先のホストマザーが、まぁ、カラダがデカくって、
愛情深くって、ハグしてくれるんだけど、
胸回りがでかくって、腕がまわらないんですよっ!」

経済学の教授。
「僕の楽しみはデパートの食料品売り場で試食品を食べ歩くことなんです。
なんでもありますから、お腹いっぱいになるんですね。
いつも最後は静岡のお茶でシメるんです」

・・・?

そう、授業とは直接関係ないんです。

でもね、覚えている。

なぜなら、それを語っていた時の先生たち自身が、
実に楽しそうで、ありありとその光景を浮かべて話していたからです。

そして話の内容そのものもですが、その話しぶりがあまりに面白かったんで、
折に触れ思い出しては、人に話してきたからです。

人の記憶に残ることば、人の心を動かすことばって、
「いいこと」でも、「感動的なセリフ」でもない。
語り手本人が、どのくらい感動しているか、ってこと。
そして、その面白さを聞き手と共有したいと思っているかってこと。

人にものを教える仕事って、
そういう思いがなくちゃだめだと思うんです。

自分が心の底から好きで、楽しんでいること。
その面白さ、楽しさを、面白く、楽しく伝える。

小難しいことばを並べることが学問だと思ったら大間違い。
そもそも、難しいことばで語ってる時点で、
教えている側も、どっかわかってないんですよね。

どんな難しいことでも、
面白く、楽しく教える方法はあるはず。
人に話したくなるような生きたエピソードがあるから、
話しては生き生き話せる。
聞き手は最後まで興味深く聞ける。

生きた教育って、そういうこと。

机にかじりついて、難しいことば並べているうちは、
まだまだわかってないんですな。

もっと言うと、
学ぶべきことは、本の中、文字の間にあるんじゃない。

世の中に実際に起きていることこそが、
文字になり、数字になり、学びとなっていく。

その順番を間違えちゃいかんのですね。

広い社会を見る。
世界を見る。
たくさんの人と出会う。

一生が学びの宝庫です。


■無料メルマガ『声出していこうっ』。プライベートなお話からマニアックなお話まで、ポップな感じで綴っていきます!(ほぼ)毎週月曜発行!バックナンバーも読めますよ。

 - Life, ヴォイストレーナーという仕事

  関連記事

「オーツキ社長、いらっしゃいますか?」

「オーツキ社長、いらっしゃいますか?」 最近、こんな電話が会社の方によくかかって …

「目立ってなんぼ」はさっさと卒業する

テレビは基本洋画一辺倒で、時折ニュースをつけるくらいです。 ワイドショーもドラマ …

自分らしく歌う。 自分であるために歌う。 ありのままの自分で歌う。

「ちゃんと勉強した人が綺麗な声できちんと歌う」っていう、 従来の音楽的価値観をぶ …

「厳しい先生」

「MISUMIさんは、なんで僕のことだけ叱らないんですか?」 そんな風に、言われ …

「真っ白な灰」に、なりますか?

リングの上で真っ白な灰になった、『あしたのジョー』。 命を賭けられるほどのものに …

「振り返ればいつも若造」reprise

「振り返ればいつも若造」。 何年か前から使っている、お気に入りの言い回しです。 …

自分のお尻を蹴飛ばす瞬間

「えいっ!」 やらねばならぬ、 やりたい、 いや、やるのだ。 そう決意をかためて …

憧れを現実に変える力

中学に入学して、 生まれて初めて部活動というものをはじめた時、 同じ部活の高校生 …

目の手術を受けました👀

火曜日から2泊3日で入院し、目の手術を受けました。 核白内障というやつで、お年頃 …

そのボイトレで本当にいいんですか?

かつて某大手プロダクションの新人育成を任された時のことです。 レッスンにやってき …