もっとオモシロく教えてください。
大学時代、出席していた授業の9割は、
わからないというのじゃなく、つまらない。
難しい話をしているわけじゃないのに、やたらわかりにくい。
たいして熱心に勉強していたわけでもない私が言うのもなんですが、
どんなに興味があることでも、「お勉強」ってのは、
やっぱり退屈でつまらないものなんだなと、がっくりきたものです。
どんな授業も、結局、オモシロかったことしか覚えていない。
今でも、先生の声や表情まで生き生きと思い出される、
教授たちの名言(迷言?)トップ2はこれです。
ドイツに留学していたという映画概論の教授。
「留学先のホストマザーが、まぁ、カラダがデカくって、
愛情深くって、ハグしてくれるんだけど、
胸回りがでかくって、腕がまわらないんですよっ!」
経済学の教授。
「僕の楽しみはデパートの食料品売り場で試食品を食べ歩くことなんです。
なんでもありますから、お腹いっぱいになるんですね。
いつも最後は静岡のお茶でシメるんです」
・・・?
そう、授業とは直接関係ないんです。
でもね、覚えている。
なぜなら、それを語っていた時の先生たち自身が、
実に楽しそうで、ありありとその光景を浮かべて話していたからです。
そして話の内容そのものもですが、その話しぶりがあまりに面白かったんで、
折に触れ思い出しては、人に話してきたからです。
人の記憶に残ることば、人の心を動かすことばって、
「いいこと」でも、「感動的なセリフ」でもない。
語り手本人が、どのくらい感動しているか、ってこと。
そして、その面白さを聞き手と共有したいと思っているかってこと。
人にものを教える仕事って、
そういう思いがなくちゃだめだと思うんです。
自分が心の底から好きで、楽しんでいること。
その面白さ、楽しさを、面白く、楽しく伝える。
小難しいことばを並べることが学問だと思ったら大間違い。
そもそも、難しいことばで語ってる時点で、
教えている側も、どっかわかってないんですよね。
どんな難しいことでも、
面白く、楽しく教える方法はあるはず。
人に話したくなるような生きたエピソードがあるから、
話しては生き生き話せる。
聞き手は最後まで興味深く聞ける。
生きた教育って、そういうこと。
机にかじりついて、難しいことば並べているうちは、
まだまだわかってないんですな。
もっと言うと、
学ぶべきことは、本の中、文字の間にあるんじゃない。
世の中に実際に起きていることこそが、
文字になり、数字になり、学びとなっていく。
その順番を間違えちゃいかんのですね。
広い社会を見る。
世界を見る。
たくさんの人と出会う。
一生が学びの宝庫です。

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