成長に痛みが伴うのは、 本気度を試されているから。
高校1年の夏だったと記憶しています。
手足が痛くて、眠れない夜が続きました。
筋肉痛とも、風邪の前兆とも思えたその痛みを、
「それは成長痛だね」と教えてくれたのは、
父だったか。誰か他のおとなだったか。
夏休み明けに、学校に戻って、
朝礼で整列してみたら、
いきなり10人くらい後ろに並ぶように言われて、
驚いたものです。
成長痛と言われたその痛みは、
「ああ、身長が伸びている」と実感できるような、
喜ばしいものでは1ミリもなく。
ただ、苦痛で、不安で、
解放されたくてたまりませんでした。
今、まさに成長しようとしている、その時に、
自らの成長を実感して、
その痛みをありがたがれる人なんて、いるでしょうか?
自分はこれで、本当に正しい方向に向かっているのか?
自分はちゃんと、みんなと同じように成長できているのか?
痛みを感じる瞬間には、
苦痛と、不安しかありません。
しかもね。
成長曲線は、体重の増減グラフと違い、
「毎日500グラムずつ減る(増える)」というような、
単純な線を描きません。
水が、器を満たすまで、こぼれ出さないように、
あるところまでは、ずーっと変化しない。
そして、おそらく、
目に見えない、数字にならない時の痛みが、一番強い。
だからどんどん不安になる。
自信もどんどん失われる。
それで、目に見える成長が起きる前にやめてしまう。
そこから離れてしまうのです。
こんなにもったいないことはありません。
後1日苦痛に耐えれば、
ずどんと成長したかもしれないのに、
その手前でやめてしまえば、「痛かった損」です。
成長に痛みが伴うのは、
本気度を試されているから。
強い痛み、苦痛を感じるほどに、
自分はポテンシャルが高いから、
大きな試練を与えられ、
本気を試されているのだと、
笑ってやり過ごせるようになれば、
まぁ、大物なんでしょう。
なかなかそうはいかないから、
私たちは今日も騙し騙し、
自分を叱ったり、慰めたり、勇気づけたりしながら、
成長痛と向き合っていくんですね。
いてて・・・・。
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