成長に痛みが伴うのは、 本気度を試されているから。
高校1年の夏だったと記憶しています。
手足が痛くて、眠れない夜が続きました。
筋肉痛とも、風邪の前兆とも思えたその痛みを、
「それは成長痛だね」と教えてくれたのは、
父だったか。誰か他のおとなだったか。
夏休み明けに、学校に戻って、
朝礼で整列してみたら、
いきなり10人くらい後ろに並ぶように言われて、
驚いたものです。
成長痛と言われたその痛みは、
「ああ、身長が伸びている」と実感できるような、
喜ばしいものでは1ミリもなく。
ただ、苦痛で、不安で、
解放されたくてたまりませんでした。
今、まさに成長しようとしている、その時に、
自らの成長を実感して、
その痛みをありがたがれる人なんて、いるでしょうか?
自分はこれで、本当に正しい方向に向かっているのか?
自分はちゃんと、みんなと同じように成長できているのか?
痛みを感じる瞬間には、
苦痛と、不安しかありません。
しかもね。
成長曲線は、体重の増減グラフと違い、
「毎日500グラムずつ減る(増える)」というような、
単純な線を描きません。
水が、器を満たすまで、こぼれ出さないように、
あるところまでは、ずーっと変化しない。
そして、おそらく、
目に見えない、数字にならない時の痛みが、一番強い。
だからどんどん不安になる。
自信もどんどん失われる。
それで、目に見える成長が起きる前にやめてしまう。
そこから離れてしまうのです。
こんなにもったいないことはありません。
後1日苦痛に耐えれば、
ずどんと成長したかもしれないのに、
その手前でやめてしまえば、「痛かった損」です。
成長に痛みが伴うのは、
本気度を試されているから。
強い痛み、苦痛を感じるほどに、
自分はポテンシャルが高いから、
大きな試練を与えられ、
本気を試されているのだと、
笑ってやり過ごせるようになれば、
まぁ、大物なんでしょう。
なかなかそうはいかないから、
私たちは今日も騙し騙し、
自分を叱ったり、慰めたり、勇気づけたりしながら、
成長痛と向き合っていくんですね。
いてて・・・・。
◆一生に一度、集中的に学ぶだけで、”自分で自分に教えること”を可能にするMTL 12。毎週日曜日10時〜Youtubeにて公開中。
◆毎週月曜発行中!声に関するマニアックな情報やインサイドストーリーをお届けする無料メルマガ『声出していこうっ』。バックナンバーも読めます。
関連記事
-
-
バンド仲間という特殊な人間関係。
バンド仲間というのは実に特殊な人間関係です。 ステージに立ってパフォーマンスをす …
-
-
書くことについて、思いきり語ってしまった。
昨年秋から「ことばの断捨離」と位置づけて、 ブログを綴っているわけですが、 書く …
-
-
腰が硬い人はリズムが悪い!
以前教えていた音楽学校で、 「演奏中の動きがぎこちない学生が多い」という話になっ …
-
-
この曲、なんかのパクリ?
曲や歌詞を書いていると、 「ポンと鮮明にアイディアが降りてくる現象」というのに、 …
-
-
「音楽」という流れをつかむ~Singer’s Tips #15~
一音にこだわる。 1ポーズにこだわる。 歌も踊りも、 重箱の隅をつつき倒すように …
-
-
「できる人」が集まる環境に身を置く
音楽のセンスや、ことばのセンスを磨いたり、 きらりと光る知性を身につけたり、 楽 …
-
-
すべては「可能」であり、「正しい」は自分が決めるのだ。
「クラシック」という音楽のイメージに、 ヨーロッパ的華やかさと優雅さを重ね、 妄 …
-
-
変化は必然。
業界のお仕事が長いせいか、 はたまた海外生活を経験したせいなのか、 変化に対する …
-
-
「答え」が違うのじゃない。そもそも「質問」が違うのだ。
ずいぶん昔のお話です。 雑誌の付録に「美人顔の条件」というようなの …
-
-
人を本当に育てるのは、反骨心や反抗心だ!
ミュージシャン仲間に、有名なおしどり夫婦と呼ばれたカップルがいました。 旦那さん …
- PREV
- 確信だけが、人の心を動かす。
- NEXT
- バンドやりたい。

