大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ボイトレだけじゃ歌はうまくならない? 果てしない“歌のトレーニング”を、わかりやすくしたかった。

   

「歌のトレーニング」イコール「ボイトレ」と思っている人があまりに多く、がっくりすることしばしばです。

ボイトレって、わかりやすいんですね。

「高い声が出た」とか、「声量が上がった」とか、「噛まずに歌えるようになった」とか、スポーツジムでバーベールの重りを1枚ずつ増やしていくような「やった感」に満ちあふれている。

しかし、ジャンプ力があるとか、怪力だとか言うだけで一流のスポーツ選手になれないのと同じように、「高い声が出せる」「ビブラートがかかる」というだけで、人が感動する歌を歌えるわけではありません。

スポーツが上達したかったら、そのスポーツで使う用具、ボールやラケットなどの扱いに慣れ、それなりの技術を身につける必要がありますね。
おなじように、歌を上達させたいなら、歌に必要な、さまざまなエッセンスと向き合い、それを習得する必要がある。
すなわち、「ボーカルトレーニング」の領域に踏み込むことが不可欠なわけです。

さらに言えば、歌は「芸」。いわゆるパフォーミングアーツですから、単なる技術を越えて、音楽を感じ、自分自身を表現する力を磨くことも必要で。。。まぁ、とりとめもない。果てしない。

この音楽の深みにどっぷり浸っていくプロセスが「たまらん」わけですが、いきなりこんな大海に放り込まれたら、途方に暮れるのは無理もありません。

長年、「歌のトレーニング」の研究を通じて、なんとかやり遂げたかったのは、この地味で、わかりにくくて、果てしない、三重苦のかたまりのような「歌のトレーニング」を、いかにわかりやすく、誰もが楽しんでやれるものにするかということ。

つまり・・・

  1. 「歌のうまさ」を徹底的にかみ砕いて、要素のすべてをテーブルに並べる
  2. ひとつひとつの要素を取り出し、その精度を上げるためのトレーニングを開発する
  3. この「かみ砕く」「取り出す」「磨き上げる」「すべてを繋げる」というプロセスを、誰もが自分自身の力でできるようなメソッドを編み出す

恐ろしいことに20年以上もの時間がかかってしまいましたが、ようやく完成したと思えるようになりました。

レッスンや講座を通じて、たくさんのアーティストや生徒さんの歌がみるみる変化していく姿を見るほどに、みんなが、めざましい活躍を目にする、耳にするたびに、メソッドへの自信を新たにしています。

今は、ひとりでも多くの人にこのメソッドを知ってもらうために、動画制作やメソッドを一気に学べるVocal BootCamp、「7つのステップで、歌の現在地を可視化する」7 Steps SkillCheckというヴォーカル力チェックテストなどなどの、ローンチに取り組んでいます。

あと一息って思ってからが、長いんですが。
なんとか、目の黒いうちに、、、、ww


9日(月)10時に配信予定の無料メルマガでは、『歌の上達の7つのステップとは?』をお届けします。
新規開発『7 Stepsセルフチェック&リーフレット』の全員プレゼントもありますので、ぜひお見逃しなく!(ダイジェスト版のお知らせに添付したものと同じものです)

メルマガ新規ご登録の方には、『7 Stepsセルフチェック&リーフレット』とあわせて『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』も同時プレゼント。バックナンバーも読めますのでぜひ。
ご登録はこちらから>>

 - 「歌を教える人」になる, ヴォイストレーナーという仕事, 歌を極める

  関連記事

プレゼンする人にも、歌い手にも、絶対問いたい10の質問

パワフルでユニークな企業の社長さん、役員さんたちのボイトレおよびプレゼンテーショ …

「自分ばかりがちっともうまくならない」~Singer’s Tips #2~

練習をやってもやっても、ちっともうまくない。 まわりのみんなは、どんどん上達する …

「なんか、できちゃうかもしれない」妄想

ロックダウンを機にスタートした英語のレッスンも8週目。 今日も、”S …

そんな情報、いりますか?

私が最も嫌いな人種に、 「いらんことをいうヤツ」というのがいます。 本人にはどう …

他人の作品を「表現する」ということ。

ケン・ソゴルという名前を聞いて、 「おぉ、懐かしい」と思う人は、 どれくらいいる …

やっぱ、英語なんだよなぁ。

日本語の歌を歌っているとめちゃくちゃカッコいいのに、 英語の歌になったとたんに、 …

「声」を鳴らせ!「いい声」を鳴らせ!

ギターもダメ。ピアノもダメ。 プロになるには、かろうじて誘われる「ボーカル」をが …

それで、いい声、出せますか?

先日、とある生徒さんのレッスンをしていた時のこと。 ずいぶん小柄な彼女なのに、 …

ボイトレ七つ道具、公開(^^)

最近、講演やセミナーをするときだけでなく、通常のボイトレをするときにも、 声のし …

「あきらめていた夢」を、もう一度追いかけるということ

「音楽は、何才で始めなくちゃいけない」、なんていう制限はありません。 「好き!」 …