語るように歌え。歌うように語れ。
思わず夢中で耳を傾けてしまう人の話というのは、実に音楽的だ。
ビジネス書の出版準備のために、さまざまなスピーチやプレゼンでの、声のパフォーマンスを研究していた時、ふと、そんなことばが浮かびました。
では、音楽的とは、どういうことか。
- メロディを奏でているような、音の高さの高低がある
- 心地よいリズムが感じられる
- 音の強弱、抑揚が豊かである
などの、基本的な歌の要素だけじゃなく、「歌の表現力」としての、
- 音色の豊かさと変化がある
- ことばのニュアンスが巧みである
- 思わず人を引き込むグルーヴを作り出せる
など…
「素晴らしい語り手は、歌のプロフェッショナルが操るテクニックをごく自然にスピーチの中で表現しているんだ!」
その閃きが、自分に都合のよい、単なる思い付きでないことを確かめたくて、世に残された数々のスピーチを音楽ソフト Logicに取り込み、その声の高低や強弱、リズムなどを波形で確認しました。
さらに、自分自身が同じように語る時のノドや声の感触を確かめたくて、スピーチの一部分を完コピし、Logicに取り込みました。
これがね。完コピオタクとしては実にツボ。
面白くてやめられなくなりました。
ピックアップしたのは、ほんっとうにさまざまな種類の「語り」。
スティーブ・ジョブズ、オバマ大統領という王道のスピーチにはじまり、マルコムXやキング牧師、チャーチル…日本人では、小泉純一郎元首相や田中角栄元首相、そうそう、小泉進次郞氏や、ホリエモン、元NHKキャスターの松平定知氏、悪のりついでに三遊亭圓生の『がまの油』や、『弁天娘女男白浪』の口上なんかもやってみました。
やってみて気づいたのは、達人と言われた語り手たちの、声のエネルギー感。
リズムやスピードの緩急で聴衆の高揚感を煽るテクニック。
「間」を巧みに取り入れて、聞き手をぐいぐい巻き込んで行くグルーブ感。
そう、達人と言われる人たちの歌とまったく同じだったのです。
「語るように歌え」。
自分の胸に刻んできたことばが、さらに一段、深いところで理解できました。
「歌うように語れ」。
自分自身の歌とそのメソッド、さまざまな人のスピーチの研究が、化学反応を起こして、独自のプレゼンメソッドとなりました。
あれから10年あまり。
ビジネスエグゼクティブや講師業、士業、著者や起業家などなど、「声で伝える人」への指導を通じて、あの日の閃きは、確信となり、さらに濃密に成長しております。
そんなわけで、歌もスピーチも、私の中ではずどんと筋の通った、いわば筋金入りのメソッドでございます。
だいぶユニークらしいけど。
声のエネルギーで聴く人をあなたのファンにするMTLのビジネストレーニング。
あなたの声の可能性を最大限に引き出し、説得力と影響力を育てます。

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