「歌なんて習うもんじゃない」? うまくなる人は、何が違うのか
「歌なんか習うもんじゃないだろ?」
歌の学校に通いはじめたころ、昭和のおじさまたちにそんなことを言われ、ずいぶん悩んだものです。
「歌なんてのは、うまいやつは、最初っからうまい。
習わなくったって、ちゃんと歌えるヤツがプロになるんだ。
声楽でもやろうってわけでもないのに、一体なに習うっての?」
そんな人たちが、「酒とタバコで喉潰さないとロックは歌えない」とか、「歌なんて人生経験だ」などと、わかったようなことを言っては、若者の夢をぶち壊し、ついでに、ノドまでぶっ壊してきたわけです。
一方、「歌を上達するには、ちゃんと勉強しなくちゃいけない」「習わなくちゃいけない」と思い込んでいるのが令和の若者たち。
「我流で練習して、変な癖がつくといけないから、ちゃんと習いたいんです。」
一体全体、どのくらい練習すると、そんな”悟りの境地”に入るのか。
そんな人に限って、ミッドボイスがどうの、ヘッドボイスがどうのと使えない知識ばかり溜め込んで、頭でっかちで身動きが取れなくなっていたりする。
情報は、あくまでも、経験や体感を補足したり、体系化したりするためのもの。
まず、歌ってみる。
自分自身の力で、歌から情報を拾い集めてみる。
マネしてみる。
うまくいかないのはなぜか、考えてみる。修正してみる。やってみる。
そして、どうしてもわからないことを補うため、できない理由を探すため、必要な情報を、自らの意志で掘り進む。
このプロセスを踏むことなく、情報収集ばかりに励んでも、必要な情報、有益な情報の取捨選択がでず、ただただ、振り回されるだけです。
ネット上にあふれている情報の8割はウソと筆者の思い込みと劣化コピーです。
2割の優良情報を拾い出すためには、自分自身の感性を研ぎ澄ますしかありません。
そして、自分の感性を研ぎ澄ますには、できないことをできるようにするにはどうしたらいいか、試行錯誤を繰り返すしかないんです。
トライ&エラーこそが本当の学習/練習です。
ショートカットはありません。
そのサイクルを高速で回す。回し続ける。
そうやって身につける実力こそ、真の実力です。
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