「なぜだろう?」の先に、進歩がある。
「なぜだろう?」
楽器も歌もパフォーマンスも、いや、おそらく、どんなことでも、
この、「なぜだろう?」と考える習慣なしに、
劇的に上達したり、クオリティを上げたりすることは不可能でしょう。
あの人の演奏が自分の演奏よりもうまく聞こえるのは、なぜだろう?
あの人がカッコよく見えるのは、なぜだろう?
あの人がどんどん上達するのは、なぜだろう?
あの人に人気があるのは、なぜだろう?
あの人の耳がいいのは、なぜだろう?
・・・etc.etc…
「なぜだろう」と考え、その理由を探していくと、
今まで見えてこなかった「コツ」のようなものが見えてくる。
「コツ」は、最初は見つけられないくらい微妙なものであるかもしれないけれど、
それでも、あきらめずに徹底的に探し続け、
検証し続ければ、やがて少しずつ自分のものになっていきます。
最も大事なことは、
「人は根本的に、みな同じである」という前提に立つことと、
「どんなことにも、必ず理由や原因がある」と考えること。
もちろん、生まれながらの身体的条件や潜在能力の違いはあるでしょう。
どうがんばっても、変えられないこともある。
しかし、「だから、仕方ない」とあきらめてしまっては、
もっともっと大切な微差を見極めることができない。
これでは、なにひとつ変えられません。
生まれながらの違いは、「なぜ」のひとつの答えでしかありません。
たとえば、彼が歌がうまいのは、なぜだろう?と考えたとき、
生まれつきいい声だし、センスがあるから
・・・だけでは、「仕方ない」で終わってしまいます。
しかし、
「なぜ、いい声だと感じるんだろう?」
「なぜ、同じような声を持っている人がたくさんいるのに、
この人だけうまいのだろう?」
「センスがいいと感じるのはなぜだろう?」
「どうやって、そのセンスを身につけたんだろう・・・?」
と、つぎつぎと自分に問いかけることで、
自ずと、今自分がすべきこと、越えるべきハードルが見えてくるはずです。
結局は、どんなに恵まれていると思われている人も、
そうした小さなハードルを超え続けた結果、今の位置にいる。
「なぜだろう?」なしに、進歩はないのです。
関連記事
-
-
「どう記録するか」より、「どう記憶するか」
スマホの時代になって間もなくのこと。 こちらが、それはもう夢中で、 なかなかいい …
-
-
歌詞が覚えられないのは、意味をわかっていないから。
「歌詞って、覚えられないんですよね。 どうしても、カンペ貼っちゃうんですよ。」 …
-
-
リズムの「点」に意識を向ける
リズムのある音楽には、必ず「点」がある。 これが、私の解釈です。 …
-
-
「長期記憶のゴールデンタイム」にあなたは何を記憶しますか?
「受験生といえば、まずは『でる単』」。 『でる単』、すなわち、『試験に出る英単語 …
-
-
ストライク率を限りなく100%に近づける
こどもの頃からずっと謎に思っていることのひとつに、 「ボーリングって、なぜゲーム …
-
-
「私のカラダはギターには向いていないんだ・・・」
高校時代、ギターリストを目差していた頃のお話。 クラプトンに憧れて、黒いストラト …
-
-
迷う余地なく行動できるよう自分を追い込む
あれは中学生くらいのことだったでしょうか? 新しい学年がはじまると …
-
-
「Fが難しくて弾けない」って理由でギター、やめる〜?
昨日、某大手プロダクションのお偉い方との会話。 M「最近、ギター科 …
-
-
「慣れる」と「油断しない」の塩梅がムツカシイ。
今日、久しぶりにひとりで買い物に出かけました。 買い物に出たのは文具なのですが、 …
-
-
うまくならない子の思考
「うーん。先週とちっとも変わってないんだけど、練習したの?」 前の週に指摘した間 …
- PREV
- 自意識の暴走を屈服させる
- NEXT
- 『The ワークショップ Show』という挑戦