『The ワークショップ Show』という挑戦
ヴォイス&ヴォーカルトレーナーとして、著者としての記事はB面、
ヴォーカリスト、アーティスト、そしてプライベート関係の記事はA面と決め、
日々、更新している当ブログでありますが、
さて、『The ワークショップ Show』はどちらに位置するのか。
実に微妙です。
そういう意味では、私という人間を象徴しているかのようなショーでもあります。
なので、通常のB面読者の方には少々「?」な内容かもしれませんが、
今日はあえてB面にて、先日の『The ワークショップ Show』のことを、
書いてみようと思います。
「何そのタイトル?ワークショップなの?ショーなの?」という、この試みは、
ミュージシャンとして敬愛する末原康志氏の息子であり、
年の離れたお友達的な存在である、人気俳優末原拓馬くん(以下・TAKUMA)から、
歌についての相談を受けたことからはじまります。
音楽一家に生まれながら、人前で「歌う」ということができずに、
ずっと苦しんできたTAKUMA。
詳しくは「詳細門外不出」とされたvol.1で語られ、封印されていることもありますので、
ここではあえて書きませんが、(TAKUMAのブログに一部書かれています)
歌を聴けば、いやいや、何を言ってるの?くらい魅力がある。
もちろん、スキルやテクニック面では、まだまだだけど、
そんなの歌には二の次。
大切なのはパッションと声。
その両方をTAKUMAは持っていました。
レッスンするほどに、「歌えるのに、歌えないTAKUMA」に
今、もっとも必要なのは他でもない、
崖から突き落としてさしあげることだと気づいた私。
とにかく、同世代のミュージシャンを誘ってライブをやるべき、
今すぐ、ブックキングしようっ!!などと提案しました。
だって人前で歌う自信をつけるには、
とにかく、人前に出て歌うしかないからです。
しかし、TAKUMA自身、俳優として人気があるからこその、ハードルの高さもある。
経験がないから、何から初めていいのかわからない、というのもある。
そうして話し合いを進めるうちに、
そうやって、苦しみながら前に進んでいく姿を、
オーディエンスと共有し、成長を見守ってもらうのはどうか?
同じように、やりたいのに、勇気がなくて、前に進めない人たちの、
背中を押すことができるのではないか?
送り手とオーディエンスが共に成長し、パワーを与え合う、
そんな時間と空間を作り出せたら・・・?
そうしてはじまったのが、『The ワークショップ Show』でした。
私自身も、かねてより構想を描いていた「ボイトレエンターテインメント」に挑戦し、
恥を忍んで(ニセ)女優デビューで朗読劇に挑戦し、
苦手なピアノ伴奏やギター伴奏に挑戦し・・・
この日、私たちが学んだこと。
自分自身のキャパを度外視して、
やりたいこと、やってみたいことにチャレンジすることは、
年を重ねるほどに、どんどん厳しく、過酷になる。
それでも、「やってみたい」から目をそらさずに挑戦することで、
必ず次が見えてくる。
そんなことを伝え続けよう、伝え続けたい、とvol.2の企画がスタート。
トークショーが主体だったvol.1に対し、徹底的にショーアップしたvol.2。
おさらい映像、トークライブ、ボイトレ・エンターテインメントに引き続き、
第2部では、なんと!超素敵なゲスト講師をお招きして、
2人して、ミュージカルに挑戦しました。
あまりに赤っ恥過ぎて、
ミュージカル部分は映像、画像ともに、SNS戒厳令を敷いております。
当然、ここでも写真はなし(*^^*))
ゲストの角川裕明氏は帝国劇場の舞台にも立つミュージカル俳優。
しかも、ミュージカル映画監督として賞も受賞しています。
本気でカッコいい。出てきただけで、カッコいい。。。
ショーの中で執り行われるワークショップはすべて、
本番まで完全秘密になっています。
VJのトモキくんが数枚のスライドの内容を知っているだけで、
私たちはステージの上ではじめて、何をするかを知らされるわけです。
本当に心臓に悪い。
超苦手な反射神経を試されるワークや、
涙が出るほど、恥ずかしい、演劇ワークもさせていただきました。
それでもね。
来ていただいたみなさんが、
口々に、「勇気が出ました。」「パワー、いただきました。」と言ってくださる。
「本当に楽しかった!次は家族みんなできます!」と言ってくださる。
これ以上嬉しいことはありません。
TAKUMAの歌も、大きくパワーアップ。
別人のように生き生きとステージ上を動き回って、
一緒に歌っていて、とても嬉しく、幸せな気持ちになりました。
ちょっと悪ノリ気味のアンコールも、会場全体がひとつになって大盛り上がりでした。
正直、負荷が高い、いや、高すぎるイベントです。
カメラマンの五十嵐さんはじめ、
劇団おぼんろのわかばやしめぐみさんや、さひがしジュンペイさんまで!
たくさんの方にめっちゃお世話になりました。
私、5回も衣装を変えたのは長い芸歴の中で、最多です。
お客さんの前で恥ずかしくて涙が出たのは、たぶん初めてです。
ロックか、ロックじゃないかと言ったら、
全然ロックじゃない場面もいっぱいあります。
それでも、なんでも、この挑戦は続き、
そして、毎回、「なにやってんのよ〜?」とちょっぴり後悔したり、
恥ずかしくて死にそうになったりしながら、
たくさんの人たちのチカラを借りながら、
MISUMI&TAKUMA、挑戦を続ける予定です。
今日は半分私的な日記のようなブログになってしまいました。
読んでいただいて、ありがとうござました。
関連記事
-
-
「売れないアーティスト」の回顧録
自分の心がおもむくままに、 なにかをクリエイトすることは、 私の癖のようなもので …
-
-
わかってないのは、そいつの方じゃないのか?
「自分のこと、めっちゃ美人だと勘違いしてる、ぶっさいくな女っているよね? &nb …
-
-
「表現したい」という欲求は、 それが可能な人にのみ与えられるエネルギー。
「クリエイティビティの源は何ですか?」と聞いたら、 「リビドーですよ」と答えたア …
-
-
人は本質にしか心を動かされない。
今日は某飲料メーカーの社長さん、某業界No. 1のキャリアウーマン、複数のビュー …
-
-
「夢喰って生きられないぞ」
大学3年だったか、それとも4年生だったか。 アルバイトをしていた東京タワーのおみ …
-
-
時間には密度があるんだ
今日のレッスンで、 「10000時間の法則」の話をしました。 じっと聞いていた彼 …
-
-
音楽業界で「出会い」と「チャンス」をつかむ5つのヒント
音楽の世界で生きていくため、 認められるため、 生き延びるためには、 自分のゴー …
-
-
いい歌、うまい歌、好きな歌。
いい歌、うまい歌、好きな歌。 歌にはこの3種類があると、常日頃感じています。 大 …
-
-
「ときめかない」ものは、「ときめかない」。以上。
こどもの頃から、アイドル歌手というものに、 ホントに興味が持てませんでした。 友 …
-
-
人生の流れを変えるには、「人と出会う」
「ただ歩き回って歌っているだけじゃダメなのよ」 若き日のジャニス・ジョップリンの …
- PREV
- 「なぜだろう?」の先に、進歩がある。
- NEXT
- パフォーマーなら「好かれたい」自分を恥じない!