いい歌、うまい歌、好きな歌。
いい歌、うまい歌、好きな歌。
歌にはこの3種類があると、常日頃感じています。
大好きなロバート・プラントやロッド・スチュワートを「ピッチが悪い」などと評する人は少なからずいるのだけど、そんなことばを聴くたびに、「関係ねーや」とひとりごちてしまう。
J-popの人気歌手をことごとく、「歌がぜんぶシャープしてて気持ち悪い」の「オートチューンでピッチ直してる」の「これ、口パクだよね」のとこき下ろす人に会うたびに、なんてオモシロくもない聴き方してるんだろうと、思う。
そうかと思えば、私自身だって、人気アーティストの歌を聴きながら、「この人の歌はピッチがあまくてお腹がよじれそうになる」と感じたり、「なにこの、どーでもいい歌!」と心の中で辛辣な罵声を浴びせかけることもあったりする。
好きな歌手がうまいとは限らないし、万人ウケするいい歌手だとも限りません。
うまくたって、オモシロくもない歌い手はたくさんいるし、たとえ歌手とは名ばかりと言われる存在だって、心から楽しませてくれるアーティストというのも、たくさんいる。
ただ、ここ、ポイントなんですけど、
「いい歌手」の定義が人それぞれである以上、「いい歌手」の成り方にも、具体的なセオリーはありません。
いい歌手になりたかったら、オモシロい人間になりなさい、魅力的な人でありなさいということしかない。
同じように、誰かの「好きな歌手」になることだって、狙ってできることではありません。
みんなが好きな歌手=人気歌手なわけで、そのポジションを狙って、日夜がんばっている人たちが無数にいるわけだけど、まぁ、狙っただけでなれるんだったら、苦労しません。
しかし、「うまい歌手」なら、がんばれば誰でもなれる可能性はあります。
「うまい」は、そのほとんどを数値化できるもの。
目標も定めやすいし、うまい歌手のなり方なら、教えてくれる人はたくさんいます。
人の噂になるくらい「うまい歌手」になれば、そこから道が開けることもありますし、その修業の過程で、「いい歌手」に化ける人も、誰かの「好きな歌手」になっていく人もたくさんいます。
この3拍子がそろったら、無敵です。
だからね、いい歌手、人気歌手になることを目標にするなら、まずは、うまい歌手を目指して、日夜がんばるっていうことが、大事になってくるわけです。実際にたくさんの若者が、まずそこからがんばっています。
さらにいうと、突き抜けた存在になる人の歌には、必ずと言っていいほど、事務所やメーカーのおとなたちをうならせる、ずば抜けた力が宿っています。
それはもちろん「いい歌」であるということなのだけれど、その「いい歌」を裏打ちする、真の歌のうまさというのが、確実にあるんです。
アーティストをレッスンに連れてくる業界の人たちが異口同音に言う「あと一押しの力」というのが、この「歌のうまさ」につながっていくわけです。
最後に人の心を動かせるのは、この3つの力の三位一体。
修行は果てしなく続きます。
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