大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

人に年齢を言うのをやめてみる。

   

年功序列文化の日本人は、年齢をアホほど気にする。

「何才ですか?」からはじまる会話は、「え?じゃ、申年?あぁ、酉かぁ。じゃ、早生まれ?」
と続いて、60、70過ぎてから、早生まれとかってなんだよっ!とツッコミたくなることしばしば。
(実際、義父にも、ずいぶん突っ込んだもんです。おとうさん、ごめんなさい。)

さらに、「ってことは、●●さんと同い年かぁ…」などと、年齢にまつわる会話が延々と、悪夢のように続く。

別に年の話をするのがダメって言ってるわけじゃありません。
ただね。
年の話をするたびに、「年齢相応」というステレオタイプを確認させられる。
自分と同い年という●●さんがくたびれた様子の人だったりしたら、「あーあ」とがっかりしたりする。

それって、なんのためにするのかな?

私自身、10代になったばかりの頃は、「純粋さは年とともにどんどん汚されていく。だから、10代のうちにキレイに死にたい」、なんてアホなことを本気で考えていました。

21才ではじめて歌を志すようになって、25才超えたらどっからも相手にされなくなるに違いないから、なにがなんでも20代の前半でプロにならなきゃと、焦りまくり、
29才で、30代超えたら海外に暮らすガッツなんかぜったいなくなるからと、突然海外放浪の旅に出て…。
30過ぎまで、ず〜っと「年齢」というくだらない数字に縛られていた気がします。

それがね。
お世話になっていたカナダのエージェントに「年齢を人に言うのはやめなさい」と言われて以来、なんだかいろんなことから自由になりまして。
以来、「年齢」に関する感覚がすっかりこんとなくなりました。

そもそも、ある程度のお年になると、気楽に年齢を聞かれなくなる。
さらに私の場合、「この人には年齢を聞いちゃ行けないんだオーラ」を出しているのか、
年齢を聞いてくる人は、まずいない。

そうすると、オモシロいことが起こります。

周囲の私に対するジャッジから、「年齢」というセグメントがなくなるんです。
敬語もため口も曖昧になる。
「私」という人間を見て、自然に対応してくれるようになるんですね。

なんだ、もっと早くからそうすればよかった。

別に若く見られたいわけでもない。
むしろ、年を言った方がアドバンテイジになることもいっぱいある。
でも、どうでもいい数字から自由になるのは、大事。

アラフォーというと、「もう年だよなぁ」と気持ちがよぼよぼする人もいるようだけど、
私なんて、メジャーデビューしたのも、
著者デビューしたのも、
起業したのも、
ブログがブレイクしたのも、
ぜ〜んぶ、アラフォー過ぎてからです。

年を重ねるほどに人生はオモシロくなる。
自分がどんどん好きになる。
なんで、あんなに年を取ることを怖れていたのか、昔の自分に説教したい。

何かをはじめるなら、今。
何かに挑戦するなら、今。
それは、「年を取ったらできなくなるから」じゃなくって、今はじめた方が、長くやれるからです。

やりたいことリストは、まだまだ長くなる一方です。


■「年齢を感じず&感じさせずに年を重ねるために気をつけるべき5つのこと」を、明日発行のメルマガ『声出していこうっ!』に書きます。ご登録いただいた方全員に、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼントしています。バックナンバーも読めますのでぜひ。ご購読はこちらから。

■FBの著者ページにて、歌が大好きなあなたのためのスペシャルコンテンツをアップしています。FBに登録していない方もごらんいただけます。

 - Life, 夢を叶える

  関連記事

「は?マスクって、なに?」

数年前にロンドンにひとり旅をしたときのこと。   そもそも旅の準備は周 …

みんな、孤独を戦っているのだ。

人と自分を引き比べることに意味はない。 誰かが、自分と他人を引き比べて、 「どー …

「雰囲気」とは身にまとうもの

「わかってないなぁ。 ああいうスキャンダラスな雰囲気、お前、出せるわけ?」 &n …

生(リアル)な音、ください。

溝が浅くなるまで、繰り返し聞いたレコード。 ぼろっぼろになるまで、使い込んだ歌詞 …

歌は、習っても、習わなくてもいいのだ。

歌だって、楽器だって、誰かに習う必要なんか、もちろんありません。 立派な学校に通 …

「お前は一体、どんな行動をして、今の状況を気に入らないと言っているんだ?」

週末なので、インサイドストーリー的お話を。 生まれて初めての音楽の仕事は、音楽学 …

I wish you were here

海外に住んでいた頃、 「またね」と抱きしめ合って別れを交わしながらも、 あぁ、き …

現実が自分にフィットしないときに、 なぜ、自分を合わせに行こうとするのか?

生涯を共にできるようなメンバーになかなか巡り会えず、 日々バンドの人間関係に悩ん …

「ありのまま」ということばを免罪符にしない。

作品でも、パフォーマンスでも、 作り込むより、パッションが大事とか、 ありのまま …

「ケツカッチン」で、劇的に成果を上げる

延ばせないデッドライン(締め切り)のことを、 業界用語で「ケツカッチン」と言いま …