大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

I wish you were here

   

海外に住んでいた頃、
「またね」と抱きしめ合って別れを交わしながらも、
あぁ、きっと、この人と再会することはもう一生ないんだろうなぁと、
心のどこかでちゃんと知っていた、
そんな友だちが何人もいました。

アルゼンチンやブラジル、ニュージーランド、
フランス、スペイン、スウェーデン…
さまざまな国からやってきた、
たまたま同じ時間に、同じ場所にいた人たち。

でもね。
会おうと思えば、きっと会える、というのと、
ふと消えてしまって、二度と会えないというのとは、
やっぱり全然違う。

 

人に恵まれた、
幸せな人生を過ごしています。

さまざまな分野の、
たくさんの人と関わって、
たくさんのものをいただいて。

あぁ、結局、幸せというのは、
人が運んできてくれるものなんだなと、
しみじみ思う日々です。

でもね。
関わった人の数だけ、別れもあります。

昨日まで共にステージに立っていた人と、
二度と一緒に演奏できなくなるというのは、
悲しいとか、淋しいとかいう感覚を越えて、
ただ、ただ不思議です。

で、彼らはどこへ行っちゃうんだろう?

 

2006年4月、末さん(末原康志氏)、
文ちゃん(小川文明氏)と3人で、
初めて鹿児島キャパルボホールに立って、早16年。
きゃ〜・・・16年。

2015年に文ちゃんの追悼ライブ、
そして、先週末は、末さんの追悼ライブ。

こらこら。
私の追悼ライブは、誰がやってくれるのよぉ。

同じ音は二度と出せない。
同じ歌は二度と歌えない。

ほんっとうに音楽って一期一会なのだと、
感じ入る日々です。


(びっくりすることに、
3人であんなに何度も同じステージに立ってきたのに、
並んで写っている写真が一枚もない…おーい。)

 

 - B面Blog, Life, Live! Live! Live!, バンド!

  関連記事

「あ、あれ、まだ書いてない」

「MISUMIさんのブログって、声や歌の話、ほとんどないですよね。」 そんな風に …

ビジョンとチームワークが作品力になる。

お城や寺院、教会などのような歴史的建築物や、 アイディアとエンタテインメントが詰 …

すごい演奏は、お互いの音をちゃんと聴くことからはじまる。

生演奏の面白さは、コミュニケーションの面白さです。 お互いの音を聞きながら、寄り …

何ごとにも終わりはくる。絶対の絶対に、くる。

好きなことしかやりたくない。 こうと決めたら即断即決即行。 私自身は、いわゆる「 …

エネルギーのピークは本番に持っていく

「歌う当日って、どんなことを心がけたらいいですか?」 という質問をよく受けます。 …

人が日課をつくる。 日課が人をつくる。

朝起きた瞬間、 テレビをつけてその前に座り込む人。 もう一回寝ちゃおうと、二度寝 …

妄想、体験、疑似体験

「芸の肥やし」ということばもありますが、 さまざまな経験を積むほどに、その人の芸 …

バンド軟派、する?

「ねぇ、彼女ぉ〜、お茶しなぁ〜い??」 と、街中で女の子に声をかけることを 「ナ …

「がんばれる」仕組みをつくる

世の中にはがんばれる人と、そうでない人がいます。 がんばれる人からすると、がんば …

旅に出よう!

「外国語を知らない者は自分自身の言語について何も知らない。」 と言ったのは文豪ゲ …