「すごい人」と、自分との距離。
どんな分野にも、すごい人というのはいるものです。
すごい人に出会う度に、自分の凡人具合にがっかりする。
なんだか、あーあと、落ち込んだりもする。
そして、自分なんかがどんなにがんばったところで、
別世界に住むこの人に届くことはないんだろうなぁなどと、
絶望的な気持ちになったりもします。
しかしね。
彼らがいるのは、別世界ではなくて、
自分が今いる場所の延長線上なのだと思い直してみると、
見え方は違ってきます。
だって、別世界に行くには、
なにかしらSF的な、魔法的な道具をつかわなくちゃ無理だけど、
延長線上なら、前に進み続ける限り、それがどんなに遠くたって、
いつか必ず到達できるってもんじゃないですか。
だから、というのでもないですが、
私は、そんな「すごい人」の話を聞いたり、
ライフトーリーを読んだりするのが大好きです。
いわゆるサクセスストーリーじゃなく、そのもっと前。
今、自分がいるところと同じ場所に立っている彼らが、
どんなタイミングで特急列車のチケットを手に入れたのか、
はたまたどんな方法で飛行機に乗り込んだのか。
そんな「夜明け前」のようすを垣間見ると、
なんだか自分自身の可能性さえもが広がっていく気がして、
ワクワクするのです。
「いま、小さなことを多く積み重ねることが、
とんでもないところへ行くただひとつの道なんだなというふうに感じています」(イチロー選手)
そして、彼らが、画面の向こう、
別世界にいるって考える方が、きっと楽なんだよな、
と、気づくわけです。
でも、それじゃ、自分はずっと、
あぁ、いいなぁ、すごいなあ、と思う側で終わってしまう。
だから、すごい人に出会ったら、憧れが芽ばえたら、
ぼーっと別世界に想いを馳せるんじゃなく、
彼らが歩んだ距離を思う。
彼らが積み重ねた1歩1歩、
流した汗の一滴一滴を追いかける。
そのうちに、ふと誰かが車に乗せてくれたり、
飛行機のチケットを手渡してくれたり、するのだと信じて。
壮大な交響曲だって、
五線紙に1音1音オタマジャクシを書き込まれることで生まれる。
何十万字という本の原稿だって、
一文字一文字パソコンで叩くことからはじまる。
どこでもドアは、
そんな、「小さなことを積み重ねた人」の前にだけ開く。
後は、信じられるかどうか。
そして、行動をし続けられるかどうか。
そんな当たり前の積み重ねが、
結局、一番難しい。
負けるな。
負けない。

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