何ごとにも終わりはくる。絶対の絶対に、くる。
好きなことしかやりたくない。
こうと決めたら即断即決即行。
私自身は、いわゆる「努力家」であるという自覚も、
「気が長い」タイプであるという自覚も
まったくありません。
いつだって、
「人が3年かかることを1年でやってやるっ!」
という気持ちで、
最も得意とするところの「集中力」をフル稼働して猪突猛進あるのみ。
気分は100年ひとっ飛びの勢いなんですが、
そこは所詮、「カメの大爆走」。
気付けば5年経っていた、
なんてこともざらにあります。
だから傍から見ると、
「努力家」、「気が長い」と映るんですね。
あぁ、残念。
自分の足下だけ見つめていれば、
自分なりの最速感と確実な1歩1歩の歩みで、
日々、やった感に満たされて生きてゆけるはずなのですが、
そこは人間。
まわりを猛スピードで駆け抜けていくウサギさんチームや、
はるか彼方でゴールのテープを切っている、
俊足の天才たちを目の当たりにするほどに、
自分自身ののろさやダメさを自覚するハメに陥るわけです。
人には、
「自分にふさわしいペース」というのがある。
カメさんチームがウサギさんチームのスピードでゴールを切れないのは、
準備が間に合っていないから。
パラシュートが開かないうちに、着地してしまえば、
地面に大激突して、一巻の終わりです。
他人のスピードを羨んだり、焦ったりしても、
意味ないんですね。
ここでカメさんチームが信じるべきは、
自分には自分なりの、
ゴールのタイミングがやってくるのだということ。
どんなに鈍くたって、いつか必ずゴールにたどり着く。
途中でやめたら、
そのときこそが、ゲームオーバーです。
さて。
ゴールまでの道のりで一番苦しいのは、
実は、走り出しでも、
「心臓破りの坂」でもありません。
もう着く。すぐそこだ。あの角を曲がったらゴールだ。
そんな風に、気持ちがゆるんで、
集中力が途切れた時です。
そこからが、もうね、異様に長い。
疲れもたまっているし、
今にもゴールにたどり着くんだと油断しているから、
カラダもココロも荷物も重い。
「すぐそこ」のはずのゴールが、
いつまでもいつまでも見えなくて、
力尽きてしまう人もいます。
ここで大切なことも同じ。
必ずゴールにたどり着くのだと信じることです。
時間は前にしか進まない。
前に進んでさえいれば、必ず終わりは訪れる。
まわりを見て、焦ったり羨んだりしない。
過去を振り返って、自分を憐れんだりしない。
自分の足下だけを見て、
1歩1歩、あきらめずに進む。
それこそが、今できることのすべてだなと。
日々のニュースで伝えられる数字に、
心乱されながらも、
そんな風に思うのです。
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