「努力」なんか好きじゃないっ!
「あなたみたいに、努力するのが好きな人のマネはできないわ。」
一緒にお仕事をやっていこうと盛り上がっていたグループのメンバーたちに呼び出されて、口々に言われ、ひどく傷ついたことがあります。
せっかく活動するからには、クリエイティブなことをやろう、
もっと自分たちの精度や価値をあげようと、
ひとり簡易音源を制作してネタを仕込み、
企画をみんなに投げた直後のことでした。
どうやら、私はひとりだけ前を走りすぎていたらしい。
「一緒にお仕事取れたらいいわね」くらいの、
軽い気持ちでスタートしたのに、
なんだかこの子、どんどん泥臭い方向に向かっているわ、
ということだったようです。
できもしないことを、あなたはなんでやりたがる?
あれこれがんばっている感じは見苦しい。
もっとスマートにしていないと、手伝ってくれる人も出てこない。。
私のいないところで、
みんなでさんざん話し合った後での呼び出しだったようで、
その事実も私を酷く傷つけました。
とどめに言われたのが、冒頭のことばです。
「あなたみたいに、努力するのが好きな人のマネはできないわ。」
がんばっても、がんばっても結果が出せなくて、
毎日泣きながら練習したり、制作したりしていた頃です。
嘲笑されるように言い放たれたそのことばは、
自分自身の存在を否定されているかのように感じ、
本当にこたえました。
きっぱり言います。
「努力することが好き」などという人間は存在しません。
Googleによれば、「努力」とは、
「目標の実現のため、心身を労してつとめること。ほねをおること。」
人は自らが理想とする結果を出すために行動する。
「努力」は目的ではないのです。
努力しなくてもあっさり結果を出せる人がいて、
どんなに努力しても結果を出せない人がいる。
努力しなければ結果を出せない人を泥臭いと笑う人がいて、
努力しても無駄だと見切りをつける人もいて。
努力しなければ手に入れられない結果なんかに興味はないと、
軽やかに世の中を渡って行く人がいて・・・
でも、そうではない。
そもそも、目標達成に向かって進んでいくことを、
「努力」と位置づける時点で違うんです。
ただ夢中で、がむしゃらで、ひたすら集中しているだけ。
気がついたら、いっぱい時間かかっていて、
いっぱい練習していて・・・ただそれだけ。
結果が出なければ悔しいし、
出すにはどうしたらいいだろうと七転八倒もするけれど、
「結果を出したい」という気持ちにフォーカスしていれば、
そこまでのプロセスは、いわゆる「努力」ではなく、
ただ「無我夢中」。
出したい結果にコミットして、ひたすら邁進する人だけが、
一流になれるのだと、何年もかかって学びました。
10年近い時を経て、
再会した彼女たちは、お仕事も半ば引退状態。
歌う機会もほとんどないと聞きました。
最初から私たちは「ゴール」が違っていたのだな、と。
そのことに気づけずに、
傷ついたり、自暴自棄になったりした私は、
あぁ、本当に若くて弱虫だったわよね、と。
遠い昔の自分に教えてあげたいけれど、
まぁ、あの時間も私にとって必要なエネルギーをくれたのでしょう。
そして私は、今も日々、
突き動かされるように行動しています。
これを「努力」と感じるようになったら、
その時こそが「辞め時」ですね。
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